2024年、おさえておきたい環境変化トップ10!

この1年間の環境変化

2024年が始まりました。この1年間でどのような環境変化があったでしょうか。その一部を挙げてみます。

1)国際紛争の激化と地政学的リスクの高まり
2)デフレからインフレへの転換
3)少子高齢化が招く深刻な人材不足と人件費の上昇
4)ChatGPTなど生成AIの爆発的な広まり

2)については、原材料やエネルギーの価格上昇をきっかけに、価格転嫁のために値上げが進み、人件費の上昇に波及しています。そして「価格は下がるもの」だった過去20年のデフレから一転して、物価が上がるインフレに変わりました。まだ価格転嫁できていない中小企業も多いようですが、2024年も値上げ戦略が重要になります。

外部環境はマクロ環境と業界環境に分けて分析する

企業をとりまく外部環境が大きく変化したら、自社の事業計画に反映することが大切です。企業をとりまく外部環境は、マクロ環境と業界環境(ミクロ環境)に分けることができ、冒頭に挙げた4項目はすべてマクロ環境です。下の図に、経営環境を分かりやすく整理してみました。

経営環境の概念

2024年、おさえておきたい環境変化トップ10!

最後に、タイトルに掲げた「2024年、おさえておきたい環境変化トップ10!」を発表します。

政治(Politics)
 1. 国際紛争の激化と地政学的リスクの高まり
 2. 半導体産業向けやガソリン価格対策のような政府が主導する補助金の充実
経済(Economy)
 3. デフレからインフレへの転換
 4. 日本の競争力低下と円安の定着
 5. 米国・中国経済の先行き不透明感
社会(Society)
 6. 少子高齢化が招く深刻な人材不足と人件費の上昇
 7. コロナ禍を経たライフスタイルの変化
 8. 異常気象の深刻化と脱炭素への動き
技術(Technology)
 9. ChatGPTなど生成AIの爆発的な広まり
10. マイナンバーカードの普及(現行保険証の今秋廃止)

例えば「少子高齢化が招く深刻な人材不足と人件費の上昇」は貴社にどのような影響を及ぼすでしょうか。企業によっては24時間営業を続けられなくなったり、「運送・建設業における2024年問題」と相まって、商品を翌日に配達できなくなるなど、ビジネスモデルの修正を迫られます。

「マイナンバーカードの普及」に向けて、2024年の秋に現行保険証が廃止されます。マイナンバーカードを使わざるを得なくなる高齢者に対する心理的影響は大きく、デジタル化が一気に進むと筆者はみています。

これらの環境変化が自社にどのような影響を与えるのか、SWOT分析を用いて整理しましょう。そして、社内で共有することから始めましょう。3月決算の企業が多いと思いますが、来期の事業計画を立てるために、まず1月に環境分析を実施することをおすすめします。

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