ポジショニングマップで位置づけを明確にする
過去3回のコラムで、顧客へのヒアリング、顧客の視点で考えること等を通じて、顧客の戦略の違いや競合他社の状況を調べていきました。
次に、競合他社との競争において、どのような違いを打ち出し、どのような点で他社より優位に立っていけるのか戦略を決めていきます。ここではポジショニングマップという手法が有効です。ポジショニングマップとは、数値で表しにくい物事の特性を「感覚的に」表現するための方法で、自社の商品を競合商品との関連の中で、どのように位置づけられるか、ポジショニングを図示したものです。
作成方法としては、縦軸と横軸を中央で交差させ、市場や商品の特徴を表す適切な名前をそれぞれの軸に設定します。下図では紳士用スーツを販売する小売業態を表現しています。高付加価値-低価格(縦軸)、総合化-専門化(横軸)という軸を選びましたが、このほかにも、若者向け-エグゼクティブ向け、カジュアル-フォーマルなどの軸でも代用できます。どういう軸を選ぶかが、ポジショニングマップの成否を分けるといっても過言ではありません。
自社の現状をみてプロットしてみると、中心から少し右上の位置になりました。専門化できていないし品揃え面で総合化も不十分。高付加価値でもなく低価格でもない。そう、お客様にとって特徴が見えづらく印象に残らない店舗なのです。中小企業は経営資源に勝る大資本のような総合化や低価格路線はとれませんので、右上を狙うのが常道です。そこで、特殊な織り方で風合いがよい生地をウリにして、右上の②象限をターゲットにするのが得策です。
当研究会ではこのポジショニングマップを「売れる顧客の発掘」という営業力強化メニューで用意していますので、合わせてご覧ください。