生成AIと対話して顧客訪問のヒントを得る

商談の目的が見つからない

新規顧客のもとへ足を運びながら、そんな戸惑いを抱えたことはないでしょうか。
初対面に近い関係では、相手の本音も、真の課題も見えません。

「何かお困りごとはありませんか」と尋ねても、返ってくるのは当たり障りのない言葉ばかり。結果として、何を情報提供すべきか、どんな提案をすれば相手に響くのか分からないまま、時間だけが過ぎていきます。

とくに入社1~2年目の若手営業員にとって、知識も経験もまだ十分ではない中で、関係性の薄い顧客から課題を引き出すのは簡単ではありません。

この場面こそ、生成AIが力を発揮します。営業員の経験不足を補い、商談目的の仮説を生み出し、商談準備を全うする。生成AIは、単なる便利なツールではなく、若手営業の「思考の伴走者」になり得るのです。

 

訪問前の企業情報収集ー顧客課題の仮説づくり

顧客訪問前に行うべきことは、企業を十分に下調べして、顧客が抱えているだろう課題や困りごとを設定することです。真の課題がわからなくても、顧客課題の「仮説を設定」して、訪問時に問いかけることで「仮説を検証」する。その繰り返しから顧客の真の課題に近づきます。

エアコンや照明を扱う電材商社を例にして、生成AIとのやりとりを再現してみます。

上記プロンプトでは「□□電気工業株式会社」と書いていますが、実際には、実在する電気工事会社と同社ホームページのURLを記載しています。これに対して、ChatGPT5.2(有料版)は次のように回答してくれました。


ChatGPTは次のような仮説を提示してくれました。
仮説①のニーズ「工事が止まらないための安定供給・短納期対応」
仮説②ニーズ「省エネ・LED化など提案型商品の情報提供」(後略)

商談トークスクリプトの作成

「省エネ・LED化」に興味を持ってもらえそうだと思えば、さらに質問を続けます。売りたい!と思う商品を挙げて、トークスクリプト(会話の構成や言い回しをまとめた台本)を用意させます。

今回は、パナソニック製ウィズリモ(信号線工事や面倒な初期設定が不要で、専用リモコンを使って1台ずつ簡単に明るさ調整ができるLED照明器具)を選びました。

このプロンプトでのポイントは、単に商品名を挙げるだけでなく、その商品が掲載してあるホームページのURLを生成AIに読んでもらうことです。人間と違って生成AIは、膨大な情報を瞬時に読み込んでくれます。生成AIの回答は以下の通りです。

「蛍光灯からLEDへ更新するだけでなく、使う明るさを現場で柔軟に調整できる照明が評価されています」のように具体的なトークを例示してくれます。若手営業員の中には、製品知識を十分理解できてない、理解できたとしてもうまく説明できない人が多くいますので、生成AIにトークスクリプトを提示してもらえるのは大いに助かるはずです。

想定質問・応酬話法の作成

若手営業員は製品知識が少ないために、お客様の質問にうまく答えられないことがよくあります。想定質問をいくつか用意して、応酬話法(切り返しトーク)を準備しておくことをお薦めします。

「入社2年目の経験が少ない営業員が回答できること」という条件を入れることで、どのレベルの営業員向けなのか設定することができます。

「普通のLEDと何が違うの?」「施工は本当に簡単?特別な設定がいるの?」「どんな現場に向いているの?」どれもよくある質問ですね。

このように、生成AIに1つ質問して終わるのでなく、自分が求める答えを得られるまで何度も質問を繰り返したり、自分の考えを伝えて考え方を聞いたりすることをお薦めします。

 

AIが活用できる営業プロセスの場面

AIが活用できる営業プロセスの場面を下表のとおりまとめました。誌面の関係で「訪問準備・商談前」、「提案書・資料作成」についてご紹介します。

いかがだったでしょうか。営業活動におけるAIの活用についての続編をお楽しみにしてください。

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