営業プロセスごとの達成基準の立て方にコツがある

先週のコラムで、それぞれの営業プロセスに最適な「達成基準」を設定する重要性について説明しました。当然のことですが、達成基準の立て方にはコツがあります。例えば、チラシをひたすら配りまくり、チラシに興味を持たれたお客様に対して、カタログやサンプルを使って情報提供や採用を働きかける新規開拓をしている営業の業態を例にとります。

この会社の場合、下図の売上UPピラミッドのように、一番下の「情報提供」から頂点の「受注」まで6段階の営業プロセスがあります。営業マンそれぞれの解釈が違ったら、営業行動が異なりますし、お客様にとっていただきたい行動、つまり「達成基準」のモノサシも千差万別になってきます。

包装材料店の売上UPピラミッド例

そこで、③のカタログ提案プロセスであれば、達成基準のモノサシを「カタログを使って商品を紹介した件数」と設定します。営業マンがAさん、Bさん、Cさんと3名いた場合、今日はAさんがカタログ提案プロセスの訪問が5件あったとしても、お客様の都合などでカタログ提案に至らない訪問が出てきますので、5件訪問したうちカタログ提案は2件という結果になります。達成基準のモノサシを共通化することで、営業マンに成果を申告させると、Bさんは4件、Cさんは1件、3名合わせて7件というふうに計算できるようになります。会社としては「今月のカタログ提案件数120件」という達成基準をしていれば、今日は7件となるわけです。

期初の4月であれば、一番下の情報提供プロセスが多いので「チラシ配布件数●件」がふさわしいし、夏頃になれば進展している商談が増えているはずですから「サンプル紹介件数」「カタログ説明件数」が達成基準になります。

秋になれば見積提示が多いでしょうが、案件のクロージングばかりやっていると、刈り取った後にめぼしい案件がなくなってしまいます。並行して一番下の情報提供にも力を注ぐなど、バランスの良い営業活動が、安定した営業成績に欠かせません。できる営業マネジャーはそのさじ加減が実に素晴らしいのです。

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筆者が実際に携わった、パン屋さんや洋菓子店などに包装材料を納める包装材販売店における事例を紹介します。
コラム第6号 営業プロセスを作ると打ち手が見えてくる

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