お客様が困った時に自分を想起しているか

企業はなぜ情報発信を続けるのか

弊社ではブログ「売上UPコラム」とメールマガジン「売上UP通信」を月に1回、情報発信しています。読者の皆様がお勤めの企業でも、お役立ち情報の発信を続けている企業が多いと思います。

お役立ち情報を用意するには手間がかかります。手間をかけてでも情報発信を続けるのは、どのような目的のためでしょうか。その1つは、顧客に自社または自社営業員の存在を意識してもらい、お客様の心に刻み込んでもらうためです。

お客様が困りごとや商品について問い合わせたいと思った時に、果たして誰に連絡をとるのでしょうか。印象が薄い自社の営業員か、はたして電話でよく連絡を取り合う競合他社の営業員なのでしょうか。読者の皆様はおわかりですね。

顧客との関係性を測定する

古くからの読者は何度もご覧になられた図表ですが、「顧客との関係性レベル」をご紹介します。
顧客との関係性レベル

図の9段階において、下から上へ進むほど人間関係が強くなっていきます。一番下は1.未接触であり、新規顧客開拓はここから始まります。取引先や金融機関に紹介してもらって2.接点の糸口を作り、顧客に初回訪問できれば3.接点段階です。その後に情報提供を続けることで、4.窓口担当者に複数回訪問できる関係になり、顧客に評価してもらえれば5.窓口担当者といつでも会える関係にたどり着きます。

既存客とは多くの場合で、7.注文をもらえる関係にあります。本来はそうあるべきなのですが、注文伺いや配達のために足しげく通っているけれども、顧客側のキーパーソンと親密に話ができてない営業員の場合はどうでしょうか。5.窓口担当者といつでも会える関係でとどまっていることがよくあります。

お客様は当社が送った情報を読んでいないことが多い

どうすれはお客様に自分を想起してもらえて、自社に声をかけてもらえるのか。そのためには、お客様の心に自分のことを刻み込んでもらわないといけません。お役立ち情報をメール送信/手渡すだけでは、お客様の記憶に残りません。情報が氾濫する今の時代、メールは開封さえされません。読むのにも時間がかかりますから。

一例をご紹介します。1ヵ月前のブログとメルマガで値上げ交渉について解説しました。読者の中には、弊社Webサイトから値上げ交渉のお役立ち情報をダウンロードした方が多くおられます。メルマガを読んだ後に「同じ資料を再びダウンロード」した方が何人もおられました。

つまり、最初にダウンロードした時は情報を集めただけで深く読んでないのです。メルマガの平易な文章を読んで初めて理解して、深く読まないといけないと考えて再度ダウンロードしたのです。情報を送るだけでは不十分。わかりやすく解説することが欠かせない。ということです。

まず、自社の営業員に深く理解させる

では、企業は何をすればよいのでしょうか。そもそも、自社のお役立ち情報の内容を深く理解できてない営業員が多数います。たぶん、お客様に質問されても詳しく説明できません。残念ながら、これは本当です。自分が理解できてなければ、お客様に説明できません。

ですから、まず自社の営業員にお役立ち情報の内容を解説する機会を設けます。そこで周辺情報も説明します。周辺情報をうんちくとして営業員が語ることで、お客様は初めて内容を理解します。そして、自社に適した情報を送ってきた営業員を意識するようになります。

すべては顧客との関係性レベルを高めて、自分を顧客の心に刻み込み、商売の時に自分を想起してもらえる状態にするためです。ここではお役立ち情報の例をご紹介しましたが、他のやり方でもよいので、顧客との関係性レベルアップにぜひ取り組んでみましょう。

成功体験を一度味わうと、それを繰り返していくことで成績が向上していきます。それの積み重ねが会社として営業力強化になり、やがて売上UPにつながります。詳しくお知りになりたい方は、右上の「お問い合わせ」ボタンからご相談ください。

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