経営基盤強化に向けて営業力強化に取り組む

私が講演などでよく紹介するデータの1つが「中小企業経営者が経営基盤強化に向けて注力する分野」です。日本政策金融公庫が毎年、同公庫取引先500社以上に対して行っている調査で、最新版「2021年の中小企業の景況見通し」が昨年12月に発表されています。その調査項目の1つに「経営基盤の強化に向けて注力する分野」があり、上位5つの3年間の推移を並べたのが下のグラフです。
53.経営基盤強化に向けて注力する分野

調査時期は2020年11月なので、コロナ禍における企業経営がよく反映されています。「営業・販売力の強化」は過去10年以上にわたってずっと1位を占めています。私が注視しているのは、1位と2位の差の大きさです。「人材の確保・育成」は2018年、2019年調査では1位に迫る勢いでしたが、今回の2020年調査で急減しました。逆に4位の「財務体質の強化」は増えています。1位から5位までがなぜ増えたのか、減ったのか。その理由を推察してみてください。

「営業・販売力の強化」の先には、どうやって売上を確保するか、どうやって売上UPを図るかという、企業経営において究極の課題があります。多くの法人営業において売上が結果として現れるには、訪問件数が増え、提案回数や見積提出件数が伸びた後なので、長い道のりが必要です。しかし企業経営者のマインドとしては、結果がまだ出てなくても、挑戦する対象があり、コロナ禍という長いトンネルの先に希望の光が見えることが大事だと、私は考えています。そのカギが、過去2回のコラムで触れたデジタルマーケティングです。この分野は経営資源が豊富な大企業が先行していますが、中小企業が取り組めるデジタルマーケティングがまさに大事であり、我々「営業力を科学する売上UP研究会」が取り組んでいます。ご興味のある方はぜひお問い合わせください。

関連記事

  1. 調査相手から正しい数字を聞き出せるヒアリング法 調査相手から正しい数字を聞き出せるヒアリング法
  2. 顧客別に訪問間隔を決める
  3. 階層別アプローチ 重点顧客の組織図を入手して関係を見える化する
  4. 経営環境の概念 2023年、おさえておきたい環境変化トップ10!
  5. 代理店の機能を活かす
  6. 訪問間隔を決めて訪問計画をつくる
  7. 事業計画書.環境分析.SWOT分析 補助金採択後こそ事業計画書の作成が不可欠
  8. 御用聞き営業を強くする付加価値行動 御用聞き営業を磨き直そう
PAGE TOP