ポジショニングマップで他社と差別化する

どの業界でも競合他社との競争が厳しくなる一方です。他社とどのような違いを打ち出し、どのような点で他社より優位に立っていけるのか、ポジショニングマップを使って戦略を立てることをお勧めします。ポジショニングマップとは、数値で表しにくい物事の特性を「感覚的に」表現するための方法で、自社の商品(または事業)を競合商品との関連の中で、どのようにポジショニング(位置づける)するのか図示したものです。

筆者は或る大学校で事業構想の講義を受け持っていて、その中で学生が新規事業の企画を練っていきます。ホワイトボードにポジショニングマップを描いて意見を戦わせる中で、独自性のあるアイデアが生まれたり、うまく整理できたりして、新規事業の立案にも有効な手法だと感じています。

ポジショニングマップの作成方法をご紹介します。紳士用スーツを販売する小売業態のポジショニングマップを、例として示します(注:2007年に発行した拙著「事業計画書のつくり方」に記載した図なので、当時と状況が変わっている箇所があります)。

ポジショニングマップ

まず、縦軸と横軸を中央で交差させ、市場や商品の特徴を表す適切な名前をそれぞれの軸に設定します。ここでは高付加価値-低価格(縦軸)、総合化-専門化(横軸)という軸を選びましたが、このほかにも、若者向け-エグゼクティブ向け、カジュアル-フォーマルなどの軸でも代用できます。どういう軸を選ぶかが、ポジショニングマップの成否を分けるといっても過言ではありません。

次に、自社と競合他社をプロットしていきます。自社の位置が中心から少し右上の位置になりました。中心近くのポジションとは、横軸でいうと専門化できていないし品揃え面では総合化も不十分、かつ縦軸でみると高付加価値でもなく低価格でもない。そう、お客様にとって特徴が見えづらく印象に残らない店舗なのです。中小企業は経営資源に勝る大資本のような総合化や低価格路線はとれませんので、右上の「高付加価値X専門化」の位置を狙うのが常道です。そこで、特殊な織り方で風合いがよい生地をウリにして、右上の象限をターゲットにするのが得策です。

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弊社では「売れる顧客」を発掘するためには、今回ご紹介したポジショニングマップを活用した「売れる顧客の発掘法」を、営業力強化メニューとして取り揃えております。
1. 自社を取り巻く環境を、顧客・ライバル・自社に分けて現状把握する
2. 現状把握で得られた顧客や自社の情報を活用して、顧客の位置づけ(ポジショニング)を明確にする
3. ポジショニングマップの位置や円の大きさを比較しながら、売れる顧客を見出す

これら3ステップを通じて得られた「売れる顧客」をターゲットリストに組み込んで、日々の営業活動を行うことで、成約確率がグンと高まっていきます。

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