売上UPに向けたターゲットリストのつくり方
読者の皆様の会社では、営業担当者の訪問先をどのように管理しておられますか。ともすれば営業担当者は、訪問を歓迎してくれて話をよく聞いてくださる既存客を訪問しがちです。この「行きやすい既存客」は多くの場合、あまり発注しないお客様です。この対極にあるのが、なかなか会ってもらえず、取引がない/少ない会社で、いわば「行きにくい新規客」です。
企業が売上を維持・増加するためには、「行きやすい既存客」への訪問件数を抑え気味にして、「行きにくい新規客」への訪問を意識して増やすことが重要になります。そのために欠かせないのが、ターゲットリストです。ターゲットリストとは、すでに取引をしている既存客、まだ訪問できていない新規客を含めて、会社名、住所、電話番号などを一覧表にまとめた顧客リストをいいます。訪問先を営業担当者任せにせず、ターゲットリストを用いて訪問先を定めることで、つい足が遠のきがちな「行きにくい新規客」への訪問件数を増やすことにつながります。
ターゲットリストのつくり方を、前号メルマガのポジショニングマップでご紹介した紳士用スーツを例にとってご説明します。
A社 一点縫いの高級衣服を国内で縫製する縫製会社
顧客 紳士用スーツ小売業者
まず最初に、A社の営業方針に沿って注力商品を決めます。ここでは「イージーオーダーメイドの高級スーツ」とします。次に、顧客、ここでは紳士用スーツ小売業者の会社名、住所、電話番号などの情報を一覧表にまとめます。帝国データバンクや東京商工リサーチなどの企業情報データベースは、業界別にデータを購入できて、年間売上高、従業員数などのデータも揃っています。
次のステップは、膨大な数のリストを絞り込むのですが、ポジショニングマップで行った作業が生きてきます。イージーオーダーメイドの高級スーツは、ポジショニングマップの右上の象限、つまり高付加価値×専門化にあたりますので、その尺度に沿ってリストを絞り込みます。最後に、営業担当者が上司と相談しながらターゲットリストを確認していきます。これをまとめると、次の図のようになります。
これがあるべき姿なのですが、実際にその通りできている会社ばかりではありません。経営者は「できていないこと」を見つけて、対策を講じなければ、案件が見込み通りに生まれません。当研究会のウリである営業力診断アンケートを受診していただくと、売上UPにつながるターゲットリストになっているか診断することができます。
【売上UPにつながるターゲットリストになっているかを問う質問例】
・会社の今期の営業方針を理解していますか?
・訪問すべきお客様を明確にしていますか?
・ターゲットリストを上司と相談の上で決定していますか?
・ターゲットリストとなるお客様について、どうやって売上を向上させるか決めていますか?
営業力診断アンケートを受診することで、貴社の営業力や営業課題が明確になります。ぜひご検討ください。
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