良い商談記録と悪い商談記録、その違いを理解しよう
営業担当者は日々の商談結果を商談記録の形に残して、会社に対して報告します。前回コラムで例示したこの商談記録は、100点満点で言うと何点の出来栄えでしょうか。
ハイレベルな商談記録になっています。70点くらいでしょうか。その理由は、要望仕様の聞き取りを実施したこと、研究所長から直接聞けなかったこと、AとBはわかったがCが不明であることが、短く凝縮された文章にわかりやすくまとめてあります。営業担当者がここまで書ければ、上司であるマネージャーは商談が順調に進んでいるか、宿題は何かがわかります。大きなマイナス点は、商談で残された宿題が何で、いつまでに実施するのか、その行動予定を書いてないことです。
これでは、研究所長が出席してないこと、Cの回答を入手できてないことが伝わってきません。こういう書き方をする担当者には2つのタイプがあります。1つは、できてないことの重要性を担当者が理解しておらず、商談はうまく進んでいると解釈しているタイプです。こういう商談を繰り返していると敗戦してしまいますし、敗戦の原因すらわからないままに終わってしまいます。もう1つは、重要なことは自分さえ分かっていればそれでよく、商談記録には必要最小限のことしか書かないタイプです。いまや個人商店型の営業スタイルから、会社全体で戦う組織営業スタイルに変わっていますので、商談結果をみんなで共有できるように、商談記録に残すように指導しましょう。
しかし、詳しく書けばよいというわけでもありません。商談の中で得た情報をもれなくメモのように書く人もいます。残念ながら筆者の経験では、20人に一人くらいの割合で存在します。
マネージャーは担当者全員の商談記録を全て読んで必要な指示を与えるのが仕事です。こんなに長いと、ポイントを理解するのに時間がかかりますし、そもそもイラつきます(笑)。マネージャーは「社内の全員が読む商談報告書なのだから重要なことをわかりやすく書きなさい」と指導してください。しかし、こういう担当者に限って、何が重要なのか、何を書かなくて良いのかが分かりません。
そこで筆者は、【目的】【結果】【宿題】【次回予定】をデフォルトであらかじめ入れておき、そこに商談記録を書き込んでいくことをお薦めします。
冒頭でお見せしたAの商談記録で抜けていたのは【宿題】と【次回予定】でした。上記のように4つに区別して書くと、担当者は意識しながら商談を振り返りますし、記載が不十分であればマネージャーは指導できます。さらに良い所は、商談記録は要点だけにとどめて、詳細な聞き取りメモのEXCELファイルを添付していることです。詳しく知りたい人はそれを読めばよいのです。マネージャーはこれを理想形において、担当者を指導しましょう。良い商談記録の積み重ねの先に、勝ち戦があります。
【関連記事】
弊社では、サイボウズ社のkintoneをベースにしたSFAのほか、マイクロソフト社EXCELをベースにした簡易版SFAをご用意しています。どちらも手軽に導入できるタイプですので、未導入の会社はぜひご検討ください。
サイボウズ社kintone版「kintoneを活用した営業活動管理」
マイクロソフトEXCEL版「エクセルを活用した営業活動管理」