言いっぱなし会議から「成果を出す会議」へ

言いっぱなしの会議になっていませんか

筆者が継続支援している会社が、10月からの下半期が始まるにあたり、各地の営業所長を集めた会議を行いました。今まで筆者は経営層に対してビジョンづくりなどを支援しており、所長クラスが出席する営業会議に初めて出席しました。

各営業所長が下半期の売上を増やすための施策を発表する議題になりました。「○○商品を促進します」「上半期はデモ28件、受注6件でした。このペースで下半期も注力します」など、所長の意志がこもった発表が続きます。しかし、何かが足りません。

多くの所長が下半期に取り組む施策に対する目標を言いません。幹部も目標が伴わない発表に対して指摘しません。この会社に限らず、施策の目標を示さない会社は多くあります。

目標=達成基準×期限

目標とは、ブログ173号(7月6日発行)に書いたとおり、「いつまでに(期限)」「何をどのレベルまで(達成基準)」目指すのかを示したものです。例えば「11月30日までに(期限)5台受注する(達成基準)」です。

目標がなければ、営業員はどのレベルまで成果を出せばよいのかわかりませんし、後から振り返った時に達成できたのかできなかったのか、成績を評価できません。結果として、会議での発表は「言いっぱなし」になりがちです。

この会社には施策の目標はまとめていませんが、営業所別に売上や粗利の目標(計画数字)はあります。つまり、営業活動や施策と、売上・粗利目標とがリンクしていないのです。

目標をともなう営業施策一覧表をつくる

では、どうすべきなのでしょうか。下半期が始まる前に、下図のような達成基準と期限をともなう営業施策に展開します。(拙著「営業力強化の基本と手法」に掲載された表なので、期限は上半期になっています)

上表では、営業一課と営業二課の施策が書かれています。施策や目標を作って会議で発表する過程で、営業一課長が「これら全部をやるのは負荷が大きいな」と気づいて修正したり、会議で営業二課の発表を聞いて「営業二課のやり方が参考になるな」と気づきを得たりする効果があります。

このようにして、目指す目標が具体的で、後から評価できる営業施策が出来上がります。結果として、言いっぱなし会議から成果を出す会議へ生まれ変わります。

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