セミナーの目的を明確にする

前号コラムでリアルセミナーとウェビナーのメリット比較をお示ししました。開催方法がリアルであれオンラインであれ、セミナーの準備にあたって、まず開催目的を明確にすることが重要です。誰に対して何を伝えるのか、それは想定する受講者が既存客か新規客なのかによって大きく異なってきます。既存客との関係強化、新規客の開拓くらいの目的設定では、あいまいと言わざるを得ません。

セミナーの企画・運営はマーケティングスタッフが手掛ける企業が大勢を占めますが、セミナーの集客は営業スタッフが担うことが多いようです。企画するスタッフと集客するスタッフが違ったセミナー目的を抱いていれば、セミナー企画とずれた客層に受講してもらうことになります。「聞いていた内容と違うじゃないか」と受講者からクレームを言われかねません。そんなすれ違いを防ぐために、どうすればよいのでしょうか。

今回のセミナー目的が、自社の営業プロセスの中で、どれを対象にするのか決めておくことが効果的です。

76.営業プロセスごとのセミナー目的

この図の営業プロセスは、下から上に向けて、新規顧客開拓における「関係づくり」から「成約」まで、そして既存顧客になって頂いたら、リピート受注に向けて「関係強化」していく流れを表しています。その3階層を、さらに20の営業プロセスに分解しています。法人営業を行う企業の多くで、当てはまる営業プロセスです。

一番下の「見込客の獲得」プロセスであれば、自社を直接知らない客層であっても広く興味を引くように、業界共通の課題や知識、最新トレンドや先進企業の取り組みを有識者や専門家が紹介するようなセミナーが有効です。その上の「見込客の育成」プロセスであれば、自社がすでに認知されている客層なので、自社商品がどのような便益を提供できるのか、顧客の課題を効率的に解決できるのか、具体的に紹介するセミナーが効果的だと思われます。ここには、4つのセミナー例を示していますが、その他のプロセスに使えるセミナーもあります。ぜひ、営業プロセスとセミナー目的を連動させることで、マーケティングスタッフと営業スタッフの認識を一致させて、セミナーを成功させましょう。

【関連記事】
「企業診断ニュース」2021年5月号特集(中小企業診断協会)に採り上げて頂きました。
ウェビナーによるユーザーとの関係強化-工業用樹脂製品メーカーの事例(著者:渡邉卓)

関連記事

  1. 顧客別に訪問間隔を決める
  2. 一週間の訪問計画を立てる
  3. 長期間にわたる顧客との商談経緯はSFAで管理する
  4. 顧客の視点で考える 顧客の視点で考えると提案の説得力が高まる
  5. 営業管理者にエールを贈る
  6. ロールプレイングを実施するとプレゼン資料を進化できる
  7. 営業力強化メニューを1冊にまとめて進呈します
  8. 経営環境の概念 2024年、おさえておきたい環境変化トップ10!
PAGE TOP