【バンクビジネス連動企画:第6回】「四つのお客様タイプ」に合わせて接しよう」
【近代セールス社「バンクビジネス」誌2017年9月1日号】
※当企画は、近代セールス社「バンクビジネス」誌の連載「すぐに成果が出る法人営業力UPセミナー」に連動しています。「バンクビジネス」誌の詳細は、こちらから。
第6回 商談プロセス「課題・困りごとの把握」編 「「四つのお客様タイプ」に合わせて接しよう」
金融機関の若手行職員向けの雑誌「バンクビジネス」において、当研究会の会員が執筆する連載が始まりました。2017年4月1日号スタートの連載「すぐに成果が出る法人営業力UPセミナー」という毎月1ページのショートセミナーです。 この連動企画では、雑誌の1ページに入りきらない、とっておきの豆知識を紹介します。また、内容は金融行職員さんに限ったものではなく、対象を広く一般企業の営業マンとして役立つものにしました。これを読んで、明日からの営業活動に役立てていきましょう。
人の個性の分類は?
世の中には、様々な学説がありますが、ここでは、大脳生理学理論を元に、大きく「四つのタイプ(型)」に分けて考えてみます。大脳において、一般的には、「右脳=感性、左脳=理性」というのは広く知られています。つまり、脳を左右二つに分けることをができます。次に、人の進化の過程から、脳の下部にある、爬虫類時代の名残りとも言われる原始的な辺縁系=本性と、ホモサピエンスととなってから進化したといわれる、脳の上部にあたる、大脳皮質=知性 という視点で捉えると、脳を上下で二つに分けることができます。そうすると、左右×上下で、脳を概念的に四つに分けることができます。誰しもが持つ、この四つの脳の中で、特によく使われる部分(利き脳)の違いが、個性を生んでいると考えられます。
お客様の四つのタイプとは?
個性の視点から、お客様も大きく四つのタイプに分けられます。
一つ目は「論理分析タイプ」です。歴史上の偉人のイメージとしては「ニュートン」が挙げられます。特性としては、情報分析し、論理的で合理的な問題解決を好む傾向があります。そして、判断にあたり、事実を重視し、技術的な裏付けや数量的なデータを求めます。
二つ目は「保守管理タイプ」です。歴史上の偉人のイメージとしては「徳川家康」が挙げられます。特性としては、約束やルール、計画管理を重視し、慎重な傾向があります。そして、判断にあたり、順序や理路整然とした説明、過去実績や他社事例を求めます。
三つ目は「創造革新タイプ」です。歴史上の偉人のイメージとしては「ダビンチ」が挙げられます。特性としては、新たな仕組みづくりや、企画力を優先する傾向にあります。判断にあたり、全体観や直感を重視し、既存に捉われない新しい提案やアイデアを求めます。
四つ目は「人間関係タイプ」です。歴史上の偉人のイメージとしては「ガンジー」が挙げられます。特性としては、情熱的で表現豊かであり、人間関係を大切にする傾向があります。判断にあたり、理屈だけでは満足せず、信頼関係や感覚・意欲などの体感を求めます。
お客様の四つのタイプに合わせたアプローチ
お客様が四つのどのタイプに近いかを見極め、その特性に配慮して、アプローチを図ります。
一つ目は「論理分析タイプ」のお客様へのアプローチです。論理的な組み立てをしっかりして、感覚的・ 感情的にならないように留意し、商品・サービスを説明します。統計データ、定量的な数字データを提示し、事実や事例をもとに提案を行います。
二つ目は「保守管理タイプ」のお客様へのアプローチです。お客様の考え方がお仕着せや当たり前の話であっても、真摯に受け入れるようにします。こちらからは、過去実績やリスクを説明し、お客様の方針や基本ルールに従った提案を行います。
三つ目は「「創造革新タイプ」のお客様へのアプローチです。お客様の判断・決断が感覚的で直感的である事を受け入れるようにします。こちらからは、既存の方針やルールに縛られず、過去実績やリスクにも捉われず、柔軟で新鮮味のある提案を心掛けます。
四つ目は 「人間関係タイプ」のお客様へのアプローチです。お客様の人間性(感情や気持ち)を理解しようと努め、考え方や要望、意見に従うようにします。こちらからは、熱い思いが伝わるよう気持ちを込め、不安を微塵も感じさせないよう自信に満ちた提案を行います。
また、他方では、お客様のタイプの見極めだけでなく、自分自身がどのタイプに近いかも意識し、お客様とのタイプとの相性に配慮しアプローチを図ると、相性の悪いお客様にも、不快感を持たれずに、より良い関係構築が図りやすくなります。