【バンクビジネス連動企画:第7回】「想定問答を用意して声かけを行おう」
【近代セールス社「バンクビジネス」誌2017年10月1日号】
※当企画は、近代セールス社「バンクビジネス」誌の連載「すぐに成果が出る法人営業力UPセミナー」に連動しています。「バンクビジネス」誌の詳細は、こちらから。
第7回 商談プロセス「情報提供」編 「想定問答を用意して声かけを行おう」
金融機関の若手行職員向けの雑誌「バンクビジネス」において、当研究会の会員が執筆する連載が始まりました。2017年4月1日号スタートの連載「すぐに成果が出る法人営業力UPセミナー」という毎月1ページのショートセミナーです。 この連動企画では、雑誌の1ページに入りきらない、とっておきの豆知識を紹介します。また、内容は金融行職員さんに限ったものではなく、対象を広く一般企業の営業マンとして役立つものにしました。これを読んで、明日からの営業活動に役立てていきましょう。
想定問答とは?
マスコミに対する謝罪会見などで、記者から思いもよらない質問を受けて、企業トップがその場でうろたえることは、当事者として絶対に避けたい場面です。そこで、あらかじめ質問を考え出して、その回答を予め用意しておく準備方法を、想定問答といいます。
自分で考えるとつい、自分に都合がよくて、答えやすい質問ばかりになりがちです。記者会見の本番でうろたえないことが目的であれば、当社が一番答えたくない、嫌がる質問を数多く集めないといけません。
これは、営業マンにとっての商談の場面でも同じことが言えます。商談の場面で恥をかかないためには、想定問答で予め訓練しておくことが大切です。
想定問答をどうやって考え出すか?
ロールプレイングという手法が有効です。ロールプレイングを和訳すると「役割を演じること」で、短縮してロープレといいます。商談における売り手と買い手のやり取りなど、実際に起こりうる場面を想定した、実践的・効果的な営業訓練手法です。
営業マンが買い手の役割を演じれば、買い手の気持ちを洞察できるので、営業マンとして望ましい行動や基本動作を考えるヒントになります。
ロールプレイングには、次のような効果があります。
- 他の人から役に立つ意見やアドバイスが受けられます。
- 他の人の営業トークを見て、気付きを得られます。
- 同様な場面で違和感なく、自信を持った対応が可能になります。
- 商談スキルが早く身につき、商談の成功率が高まります。
ロールプレイングの進め方
事前準備として、登場人物の役割を決め、商談の場面と目的を設定します。
(例)
- 営業マン: 某信用金庫の若手外回り担当者。
- お客様: メインバンクは他にあり、関係維持のため当行庫と少額取引を行っている企業の総務責任者。お客様の売上は微減傾向にある中で、新商品開発によって局面打開を考えている。新規顧客開拓の優先順位は低い。
- 商談の場面: 営業マンがお客様の会社を定期訪問します。自行庫が主催する新規顧客開拓セミナーの受講者を募集するために制作した案内チラシを、お客様に手渡す場面です。
- 商談の目的: チラシを手渡して、セミナーの内容をお客様に理解してもらいます。できれば、その場で、セミナーの参加申し込みを獲得します。
事前準備をP(計画)とすれば、D、C、Aは図のように行っていきます。ロールプレイングをきっかけとしてPDCAを回して、実際の商談に活かしていきます。