【バンクビジネス連動企画:第5回】お客様の課題や困りごとを聴き出そう

【近代セールス社「バンクビジネス」誌2017年8月1日号】

バンクビジネス170801表紙

※当企画は、近代セールス社「バンクビジネス」誌の連載「すぐに成果が出る法人営業力UPセミナー」に連動しています。「バンクビジネス」誌の詳細は、こちらから

第5回 商談プロセス「課題・困りごとの把握」編 「お客様の課題や困りごとを聴き出そう」

金融機関の若手行職員向けの雑誌「バンクビジネス」において、当研究会の会員が執筆する連載が始まりました。2017年4月1日号スタートの連載「すぐに成果が出る法人営業力UPセミナー」という毎月1ページのショートセミナーです。 この連動企画では、雑誌の1ページに入りきらない、とっておきの豆知識を紹介します。また、内容は金融行職員さんに限ったものではなく、対象を広く一般企業の営業マンとして役立つものにしました。これを読んで、明日からの営業活動に役立てていきましょう。

法人営業力セミナーVol.5 お客様の課題や困りごとを聴き出そう 170801号_p67

 

傾聴とは、話し手のために聴くこと

皆さんは傾聴をどのように考えていますか。「話し手の思いを自分のことのように感じながら」、話を聴く姿勢が傾聴です。これを行えば話し手から深い信頼を得られ、良好な人間関係を創り上げることができます。大切なことは、聴く手法やテクニックではなく聴き手の心構えです。話し手に「気持ちよく」「正直に」話してもらうには、「話し手を大切に思い、話し手のために聴く」という心構えを持つことが大切です。自分に都合の良いことだけを聴いても、話し手は心を開いてくれません。誌面で紹介した傾聴の2つのポイントを参考にして繰り返してみてください。傾聴はコミュニケーションの基本です。ビジネスだけでなく家族や友人など、あなたの人間関係を大きく変えることができます。

話し手の自信を深めるお手伝い

なぜ傾聴によって、相手の心が開かれて信頼を得られるのでしょうか。それは、傾聴によって話し手が自信を深めていくからです。第一に、話し手の自己肯定感を満たすことができます。だれにでも自分のことを大切にしたい気持ちがあります。聴き手から理解と共感を表す反応や、興味を示す質問をしてもらえると、話し手は自己肯定感が満たされ、積極的に行動しやすくなります。
第二に、話し手は自分の考えを整理することができます。最初のうちは、話し手は頭の中にあるモヤモヤとした思いを話しています。口に出して話すうちに自然と整理されて、はっきりとした考えや気持ちとしてまとまってきます。そうすると、悩みや問題を解決するために、行動を起こしやすくなります。この二つはともに、話し手の自信を深める効果を持っています。自信を持たせてくれた聴き手に対して、心を開いて信頼感を持つようになるのは、とても自然なことです。

言葉だけでは伝わらない傾聴の心構え

「メラビアンの法則」をご存知でしょうか。コミュニケーションにおいて相手に影響を与える情報の割合は言語情報(話の内容など)が1割、非言語情報(声のトーンや、話の早さ、見た目や態度など)が9割と言われています。傾聴の「話し手を大切に思い、話し手のために聴く」という心構えも、大部分が非言語情報によって話し手に伝わります。

「つまり○○ということですね」と理解を示したり、「そうですか。それはよかったですね」と、言葉だけで相手に寄り添おうとしても不十分です。集中して話を聴いていることを表情や体の姿勢で表すことが大切です。さらに、挨拶の声の調子や表情、相手の質問にいつ回答するかというような、あなたの態度までも含めて心構えを表現できて初めて、心を開いていただけます。意識してはっきりと明るい声、態度で挨拶をしましょう。

目は口ほどに物を言う


第5回執筆:山口良明(中小企業診断士、営業力を科学する売上UP研究会)

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