営業方針を伝えるだけでは行動が起きない
私がご支援させていただいている或る企業さんで、実際に起こっている(現在進行形です)状況をご紹介します。
その企業の営業本部には、複数の営業部門と、横串をさす営業管理部門が所属しています。営業管理部門には素晴らしく有能なスタッフの方がおられて、SFA(営業支援システム)やいろいろな売上実績データを用いて、月別、製品別に分かりやすく資料にまとめておられます。先日見せて頂いた売上計画進捗説明資料は、営業本部全体の計画値と見込値がグラフに並び、その差であるギャップ金額が一目瞭然です。あといくら売上を増やせば計画達成できるのか、誰もが理解できます。
私が感心するのは、グラフの色の使い方です。EXCELの標準機能でグラフ表示すると「なぜこんな地味な色を使うのかな」と思うのですが、その方が作るグラフは、カラー画面だと派手過ぎないけど目立たせたい箇所に自然に目が向き、モノクロ印刷しても色の違いがはっきりしていて読むのがとても楽です、これは教えても身につくものでなく、センスだなあとつくづく感じます。私がお願いしたことをすっとのみ込んで、常に私がお願いした以上の120%の出来なのです。
その企業では、営業部門長や全国に散らばる営業担当者が出席する営業会議を定期的に開催しています。2時間程度の予定時間に、営業方針や計画の進捗具合を確認する議題を数多く詰め込んで、分刻みでこなしています。冒頭に挙げた売上計画進捗説明資料には15分の時間が与えられて、営業管理スタッフの方が、居並ぶ部門長や営業担当者に説明して行動を促します。説明を終えると次の議題へ進んでいるそうです。「いるそうです」というのも、私は営業管理部門に対してアドバイスや提案を差し上げる立場なので、営業管理部門から全社への展開については伝聞に頼らざるを得ません。
それぞれの企業の取り組みにはもちろん良い点がある一方で、改善した方がよい点も多く見られます。この企業では、営業方針や売上計画進捗などのまとめ方は素晴らしいのですが、なぜか営業現場の行動が徹底できてない問題が見受けられます。さらなる成長へ向けて、読者の皆さんなら何が問題点であり、どのようにアドバイスなさいますか。