顧客社員情報を組織営業に活かす
前号のコラムでご説明した顧客情報は、法人営業においては「顧客企業の情報」です。今号では、その顧客企業に勤める担当者など「パーソン情報(顧客社員情報)」についてお話しします。
パーソンには肩書きがあります。肩書きは部署(技術部、設計本部、カスタマーセンター、メンテナンス部など)と役職(部長、課長、係長、役職なしなど)から構成されます。高額な工作機械を購入しようとする製造業では、どの部署が購入意思決定に関与するでしょうか。その関与する方々が、売り手にとって攻略すべきパーソンなのです。
製造部、〇〇工場など企業によって部署名はさまざまですが、モノづくりを担う部署の工場長、製造部長は言うに及ばず、機械を操作するオペレーターや保守メンテナンスに従事する施設課長などを押さえる必要があります。それ以外にも、技術部門には購入機械のスペックを比較評価する技術部員がいて、機械スペックの決定に大きな影響力を有します。工作機械で加工した製品を販売する営業部からは「次に導入する設備は〇〇を作れるようにしてほしい」という意見も出てきますので、無視できません。当然、最終意思決定する社長や担当役員は言うに及びません。
このように法人営業では、さまざまな部署のパーソンが登場しますので、各部門の各階層を押さえていきます。押さえる中で、パーソンの姿勢を「賛成派」「反対派」「中間派」のように分類して、機械選定に強い影響力を及ぼすキーパーソンに働きかけて賛成派にしていきます。賛成派にできなくても、反対しない中立派に留め置くことが大事です。このように法人営業では、多くのパーソンに対して営業していくことが求められます。これらパーソン情報も、前後コラムでご紹介したSFAの顧客情報に記録して、社員全員で共有していきます。
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