コロナ後には会うために議題が必須になる
日本経済新聞の5月22日朝刊で、明治安田生命保険が営業職員の2020年度の保険契約目標をなくし、新規顧客開拓をやめ、既存顧客との非対面を中心とした関係づくりに専念する、と報じました。その記事によると、インターネット経由での保険加入契約者割合はわずか3%(2018年度)にとどまり、保険営業は対面がなお大半を占めるそうです。特に自前の営業網が強みだった明治安田生命の目標撤廃は、対面営業に頼ってきた業種が曲がり角にきていることを象徴していると、記事は結んでいます。
新規顧客開拓をなぜやめたのか。当記事では新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、対面営業だと営業職員が感染源になる可能性も否定できず慎重論が根強い、と書かれています。真相は別のところにあると私は考えています。生命保険に限らずどの業界でも今までは「お役立ち情報を持参します」「近くに行きますので」「担当が代わりましたのでご挨拶に」など、情に訴えた訪問アポによって初回面談を実現してきました。しかしコロナ後には、そんな成功パターンのアポ獲得率が低くなるからではないでしょうか。
コロナ真っ最中の今は、コロナを理由に新規顧客に会えません。コロナ後になっても、在宅勤務やオンライン会議のうまみを味わったお客様は、コロナ前のやり方に全て戻すことはないでしょう。お客様は自分にとっての重要度によって、「ご来社ください」「オンラインで済ませましょう」「会社の指示で新規の方とは会わないように言われています」と使い分けるようになります。
そこで大事になるのが、会うための議題であり情報です。だからこそ、5月10日の当コラムでご紹介した、ウリを伝える会社案内のつくり方が、ますます大事になってきます。