新規顧客開拓の営業プロセス
既存顧客との取引を継続するだけでは、企業の売上を維持することができません。やがて必ず、取引関係が終わる既存顧客が発生するからです。そこで、企業が売上を維持し増やしていくために欠かせない活動が、新規顧客開拓です。
新規顧客開拓とは、取引がない新たな顧客にアプローチして、一から信頼関係を構築して、取引開始につなげる営業活動です。別の言い方をすると、他の業者と取引をしている顧客に、こちらに振り向いてもらい、自社に転注してもらう、難易度が高い活動です。
接点がないお客様にどのようにアポをとるのか。初回訪問で会社や商品の説明をした後に、どうやって次回訪問の約束を取り付けるのか。さらに訪問を重ねる中で、どうやれば提案やプレゼンテーションにもちこめるのか。これらの先に見積提示や成約があります。
このような新規顧客開拓の営業プロセスを図にまとめると、次のようになります。さて、この中でもっとも難しい活動はどのプロセスでしょうか。
下から上に向かって営業活動が進みます。事前に訪問先の情報収集をして、接触につながりそうなコネクションを探して、初回訪問が実現します。会社や商品を説明し、お客様に役立ちそうな情報を提供し続けます。その中でお客様に「こういうことに困っているんですよ」とつぶやいてもらえれば、宿題をもらえたことになり、初回提案にもちこめます。
「こういうことに困っているんですよ」というつぶやきは、お客様が営業員の情報提供を評価したからこそ、自社の情報を開示してくださったわけです。
前号コラムで、お客様に3回会える「営業ネタ(お役立ち情報)」を充実させる大切さを説明しました。この「情報提供」という難しい活動で特に重要になるのです。