営業が弱いという現象の問題と原因をさぐる
「うちは営業が弱くて…」という経営者の嘆きをよくお聞きします。メインだった仕事が価格的に割安な他社に転注されたり、既存取引先から値下げ要求を受けたりなど、今までの売上を維持することは大変です。実際の売上が事前に立てた計画に達しない会社が多くあります、というよりも「大部分」ではないでしょうか。
このように営業力に不安を持っている会社は少なくありません。下の図は、中小企業が経営基盤強化に向けて強化したい分野を示したグラフです。「営業・販売力の強化」が過去数年にわたって1位になっています。多くの経営者が営業・販売力の強化、その結果である売上UPに対して危機感を抱いている証拠です。
売上が計画未達になった理由を「景気が悪くて」の一言で済ませていると、問題が見えてきません。詳しくお尋ねすると、見込んでいた案件が受注に至らなかった、元となる案件や商談の数が少なかったなど、いろいろな問題点を経営者が語ってくださいます。
そこから先は経営者の口から出てきません。我々コンサルタントが診断していくと、その根っこには、案件に対する営業フォローが不足していたり、新規開拓訪問の数が減っていたりなど、原因が見えてきます。
解決策を打つためには、問題点を顕在化して、原因を特定することからスタートします。人間のからだで言うと、元気な人でも健康診断を定期的に受診して、問題や異常がないか、今までと比べてどんな変化があるか探ることが大切です。企業における営業力を診るためには、当研究会のウリである営業力診断アンケートが活用できます。