会社の営業方針を部下に理解させる
戦略力においてもっとも大事なことは、会社の営業方針を部下に理解させることです。
営業担当者はついつい価格を下げたがります。営業スキルやノウハウが乏しい担当者ほど、価格を下げて目先の注文を取ろうと焦ります。それが一番楽な交渉方法だからです。しかし、仮に会社が利益率低下に悩んでいて、新しい顧客を開拓して付加価値が高い機械を売って利益率を高めていく戦略を立てていたとすると、戦略と実際の営業行動が矛盾します。
御社でそんな矛盾はありませんか。「会社の戦略は部下に口酸っぱく説明しているよ」という上司が多いのですが、営業担当者は上司に聞かされる情報を深く理解しているわけではありません。
会社の経営戦略は「(5年後の)20××年に売上高○○を達成する」や「●●分野で新規事業を興す」のように中長期的な旗印を掲げることがあります。ともすれば、一営業マンにとってはいま何をやるか具体的にイメージできないケースが出てきます。そこで、会社の経営戦略を自部門の営業方針に翻訳し直して営業担当者が理解することが大事です。
下図のように考えてみましょう。
部門売上高や粗利などの金額面、台数やシェアなど市場面の定量的な計画はもちろん、商品、顧客、販促や広報宣伝などを定性的な計画を織り込んでいきます。そうすることで、○○新商品のセールスポイントを頭に入れて○○業界に提案し、●件の引き合い、○件の見積提示、●件の受注を目指そうと、目指すべき目標が明確になります。トップダウンで方針を下ろすだけでなく、課内ミーティングを開いて、自分たちで具体化させるボトムアップ手法を採り入れることで、より具現化できます。
ちなみに、当研究会のウリである営業力診断アンケートには「会社の今期(1年)の営業方針を理解していますか?」「会社の中長期(3~5年)の営業方針を理解していますか?」という質問があります。当アンケートを受診すると、貴社営業組織での営業方針の浸透度を測ることができます。
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「営業方針のつくり方・使い方」ページには、これまでにお読みになった、経営戦略から営業方針への展開方法、営業方針を策定する7つの視点に加えて、営業方針が完成した後に行動に移すための達成基準など、営業方針の作成から運用に至る内容を網羅しています。さらに、約20分の説明動画も用意しておりますので、ぜひご覧ください。
営業方針のつくり方・使い方