商流以外に情報流の強化が不可欠

先週、或る展示会にブース出展しておられる装置メーカー(A社とします)に対して、配管メーカー(B社とします)をご紹介しました。配管メーカーB社がつくる配管は、販売代理店、販売店を通して、装置メーカーA社に届けられ、A社はB社配管を組み込んだ製造装置を、エンドユーザーである工場へ納品します。

販売代理店ルートにおける商流

B社の配管は、A社装置の性能を発揮するために欠かせない重要部品ということもあって、エンドユーザー工場から配管についての問い合わせや要望を頻繁に受けます。しかし今までA社は、配管メーカーとしての専門知識がないためにすぐに答えられず、出入りする販売店に相談し、販売代理店を経由して配管メーカーに問い合わせが届きます。それでは、A社が回答を得るのに時間がかかりますし、伝言ゲームになるので意図通りに伝わらないこともあります。

今回弊社が装置メーカーA社に配管メーカーB社をご紹介したのは、A社とB社の間に、Win&Winが成り立つ関係だと確信を持ったからです。配管メーカーにとっては、装置メーカーへダイレクトに接触することで、新しいニーズをいち早く入手できて新商品開発につながる展開が期待できます。では、装置メーカーにとってはどんな利点があるのでしょうか。装置メーカーの技術者には最適な配管を選ぶための知識や情報が不足していて、決めるのに時間がかかったり、用途に応じた最適な配管を選べなかったりすることが容易に想像できます、そこで、メーカーの技術者どうしがダイレクトにやり取りすれば、今までより何倍も早く、最適な解決策を見つけることができます。そうなれば、A社はエンドユーザー工場に対する対応スピードが上がるメリットが期待できます。

今はインターネット技術や宅配ネットワークの発達によって、ネット通販に代表される直販が増えています。販売店や販売代理店は、自分たちの頭越しにメーカーどうしがやりとりすれば、自分たちが中抜きされて直販される心配を抱きがちです。しかし、流通各社が強みを発揮すれば、恐れる必要はありません。販売店は日頃から装置メーカーに出入りする立場を活かして、困りごとを聴取して痒い所に手が届くサービス対応力が強みです。

販売代理店は配管メーカーと販売店の間に介在するだけと思われがちですが、重要な役割があります。B社の配管だけでは装置メーカーの配管回りのニーズを全てカバーできません。販売代理店はB社以外から配管関連部品を調達することで、その業界に適した品揃えを用意して、販売店を通じてその業界に提供できます。

商品が生産者からエンドユーザーへ提供される際の「所有権」の流れである商流(商的流通の略)とは別に、下図のようにメーカーどうしの情報の流れである「情報流」を加えることで、流通各段階の強みを活かした商売が可能になり、直販ルートに負けない代理店販売ルートを構築できます。販売店、販売代理店(卸売業)の皆さん、ご自身の強みを磨き上げていきましょう。

販売代理店ルートにおける情報流.商流

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