法人営業と個人営業の違いとは?

法人営業とは、法人(企業)が法人の顧客に営業するスタイルで、BtoBともいいます。法人営業の対義語が、法人が個人客に営業する個人営業(BtoC)です。

法人営業では素形材、部品、機械、食品、医薬、建材からIT、サービスまで、幅広い製品・サービスが取り扱われます。これだけ製品・サービスの幅が広くても、法人営業には共通した特徴があり、個人営業と対比することで法人営業の特徴が際立ちます。

法人営業と個人営業の違い

まず、購買のきっかけを考えると、法人営業では予め予算を決めておき、その予算の金額や時期に合わせて計画的に商談が進みます。そもそも、予算がないと購買の稟議が通らないので、成約に至りません。

一方、個人営業では、マインド(気分)次第で大人買いすることがあります。たとえは、住宅の購入を検討する中でキッチンのショールームを見学したとしましょう。家計を握る奥さんは購入予算を厳しく設定していましたが、キッチンライフを豊かにしてくれそうなオプション機能を見学して触ってみると、予算を大幅に超える上位グレードを選んでしまいがちです。

次に、取引に関与する関係者の数が違います。買い手は個人であり、家族を含めても登場人物は多くありません。法人営業においては、高額商品になるほど経営者の一存で購入を決定することは少なくなります。

設備や機械の購入であれば、価格交渉や購買手続きを行う購買担当者、競合品と比べて仕様や技術レベルが適切かどうか評価する技術者、設備を動かす工場関係者、その設備で作った商品を売る営業関係者など、多くの利害関係者が登場して購買決定に関与します。売り手側も、営業員に加えて、買い手側の専門家に対応できる立場や知識を持った人が対応する必要があり、上位役職者、技術者やサービス部門を巻き込んで、組織営業をしていきます。

営業プロセスにおいては、多くの利害関係者の中から購買決定に強い影響力をもつキーマンを特定して人間関係を構築しながら商談を進めていきます。こまた、利害関係者それぞれの要求を満たすために、商品や技術に関する情報、見積や取引条件など充実した情報提供やていねいな営業プロセスが要求される傾向があります。

いかがでしょうか。法人営業の特徴をご理解いただけたでしょうか。法人営業では、時間をかけて商談を進めていくので、いきなり注文が舞い込むことはめったにありません。だからこそ、初回訪問・情報提供、提案・プレゼン、見積提示、そして受注という、営業プロセスの進捗管理が大切になります。

営業力強化に取り組む場合は、法人営業の特徴や営業プロセスを踏まえて、施策を考えることが大切です。

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