営業方針は短期だけでなく3~5年先の中長期営業方針が重要

3月決算の企業では、今は来期の事業計画を策定する時期にあたります。各部門のリーダーを集めた会議を連日開いて、来期の営業方針や施策を詰めていることと思います。ところで、営業方針は何のために作るのでしょうか。

当研究会のウリである営業力診断アンケートにそれに関係する質問があります。「会社の今期(1年)の営業方針を理解していますか?」、「会社の中長期(3~5年)の営業方針を理解していますか?」という質問です。この質問に対して、「当てはまる」「やや当てはまる」「あまり当てはまらない」「当てはまらない」の4択から答える仕組みになっています。

その回答結果を分析してみると、営業方針の回答傾向には、ある傾向がみられます。「会社の今期(1年)の営業方針を理解していますか?」のスコアは、「会社の中長期(3~5年)の営業方針を理解していますか?」のスコアよりも必ず高いのです。つまり、短期営業方針の理解度が、中長期営業方針の理解度よりも高いことを意味します。経営者は売上計画を達成するために短期の営業方針を折に触れて伝えているが、中長期の営業方針を伝えきれてないのではないでしょうか。

さらに掘り下げて考えてみると、短期営業方針を作っていても、中長期営業方針を立ててない会社が多いことを意味します。確かに、環境変化が激しい現代において、3年先のことを正しく予測して方針として伝えられるか、という悩みを経営者が抱えていることは想像に難くありません。しかし、ビジョンやミッションとして社長が熱く語っていれば、営業力診断アンケートにおいて、「当てはまる」と回答するはずです。その熱い想いを頭に入れて社員が日々動けば、会社のベクトルは必然的に合っていきます。中長期の営業方針をしっかり語ることはとても大切なのです。下図は拙著「事業計画書のつくり方」で使った図です。目標や計画に言葉を言い換えていますが、ビジョンを営業方針に展開する際の考え方を表します。

59.ビジョンと目標設定

【関連記事】
営業員がどの程度、営業方針を理解できているのか「見える化」できます。
営業力診断アンケートによる営業力の見える化

関連記事

  1. 新規顧客開拓の営業プロセス 営業プロセスを営業行動へ細分化する
  2. 営業の役割とプロセス 売上UPピラミッドを営業生産性向上に役立てる
  3. 商談では必ず宿題をもらう
  4. 営業の困りごとに対して解決策をラインアップしました
  5. 包装材料店の売上UPピラミッド例 営業プロセスを作ると打ち手が見えてくる
  6. 売上UPピラミッド基本形 自社に最適な売上UPピラミッドをつくる
  7. 良い商談記録と悪い商談記録、その違いを理解しよう
  8. 売上UPピラミッド 営業活動をプロセスに分けて管理する
PAGE TOP