売上UPピラミッドを営業生産性向上に役立てる

OECD(経済協力開発機構)の調べによると、2019年の日本の時間当たり労働生産性(就業1時間当たり付加価値)は、OECDに加盟する37ヵ国中21位。そして主要先進7ヵ国でみると、データが取得可能な1970年以降、最下位の状況が続いているそうです。生産性を簡単に言うと「アウトプット/インプット」です。生産性の計算式はいろいろありますが、量を分母にすれば「生産物の産出量/労働・設備・原材料等の投入量」になりますし、時間が分母に来ると「成果/労働時間」となる。我々の生産性は、なぜ低いのでしょうか。

企業の中には、製造、開発、営業、総務などいろいろな職種がありますが、生産性という言葉がもっとも馴染まないのが営業です。それは、自分でコントロールできない不確定要素が最も多い職種だからです。例えば、会社の開発部長に同行してもらって技術プレゼンをする訪問計画を綿密に立てても、お客様の急な都合で商談が延期になることは頻繁にあります。不可抗力なのですが「お前がお客様にちゃんと伝えてないからだ」と叱られてしまいます。

コンサルティングの進め方を協議する中で経営者が「今回の活動目標は受注件数を増やすこと」と言ったり、社長が営業マンに向かって「売上を増やすために訪問件数を2割増やせ」と檄を飛ばすようなケースに遭遇することがあります。筆者は少しタイミングをずらして、社長にこの図をお見せします。
売上UPピラミッド

いきなり受注につながるような「営業ファインプレー」は今の時代に望みづらく、訪問活動によって生まれた引合案件を、できるだけ高い確率で上方へランクアップして受注案件につなげるか、が大事です。そこで筆者は「キャンペーンチラシ配布活動ですから引合案件増加を狙いましょう。どのくらいの引合件数に目標設定しますか」と導くようにしています。

この図の①引合案件、②提案案件、③見積案件、④受注案件をいかに大きくするか?
そして、A、B、Cのランクアップ確率をどのようにして高めるか?
そのように考えていくと営業生産性が確実にアップしていきます。

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