代理店販売のメリット・デメリット
法人営業における販売ルートは、メーカーがユーザー企業に直接売る「直販(直接販売)」と、販売店や代理店など販売代理店を介して販売する「代販(代理店販売)」の2つがあります。法人営業の理論は直販を想定して語られることが多いですが、販売金額で言うと、業種・業態によりますが、代販の割合は直販に匹敵するほどです。メーカーが直接売る直販と、代理店経由で売る代販とのメリットとデメリットをまとめてみました。
開発に特化したベンチャー企業のように自社営業力が弱い企業であっても、代理店の営業力に頼って売上を獲得できます。当然ながら、代理店のマージンが上乗せされるので、メーカーにとっては利益率が下がります。力のある代理店に頼めばその顧客基盤を活用できる一方、その代理店がライバル社に鞍替えすると売上が急減するリスクがあります。
一方、直販においてメーカーが直接ユーザー企業と接すれば、お客様との情報交流の質、量とも高くなり、その声を商品開発に役立てられますし、エンドユーザーとの関係を強化できます。一方で自社で営業マンを抱える分だけ営業費用は高くなります。また、新規顧客開拓やクレーム処理などあらゆる営業業務を、たとえ苦手であっても担う必要があります。
それぞれにメリットとデメリットがありますが、代理店に、数あるメーカーの中から自社を選んでもらうためには、どういう取り組みが必要でしょうか。代理店にとっては、マージン率が高い商材の方が魅力的ですが、中長期的に成長させてくれるパートナーはどこか、代理店の他の製品と相乗効果を発揮できる商材はどれだろうか、などいろいろな視点で考えています。だからこそ、メーカーとしては代理店と情報交換を密にして関係づくりをしていくことが大切です。前回コラムで説明した組織営業がまさしく必要な分野なのです。
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