組織営業における担当者の役割
法人営業では、営業担当者に加えて、上長である営業部の管理職や担当取締役はもちろん、社長はトップ営業を行い、技術者や設計者は技術や商品のプレゼンや説明に同席し、全社挙げて組織営業を行う必要があります。では、それだけ多くの関係者が登場する組織営業において、営業担当者の役割は何なのでしょうか。
野球の世界にもよく似た傾向がみられますので、こちらで説明します。昔のピッチャーは先発完投型が中心でした。つまり、1回から9回までのあらゆる場面を一人のピッチャーが担っていました。しかし、バッティング技術の向上、野球道具の進化、データ野球の進展により、次第に打者有利になり、それに相対するピッチャーは一人で投げ抜くことが難しくなりました。今では先発、中継ぎ、抑えという分業制が一般的です。
ビジネスの世界も同様です。商品が高度化し、お客様が求めることが多様化してくると、それまで先発完投型だった営業担当者も、一人でお客様の要求に答えられなくなりました。そこで、場面場面に応じて、冒頭に挙げたように多くの専門家が登場します。担当者は、いわばピッチングコーチのように、営業のプロセスや場面に応じて、何が求められているか見極めて、最適なスタッフを登場させる役割を担います。営業担当者の上司である営業マネージャーは、いわば監督としてピッチングコーチと協議して、最終判断する役回りです。
我々が法人営業のコンサルティングをさせていただく場合、顧客戦略シート、案件戦略シート、行動計画表などを提示しながら、組織営業の仕組みづくりを進めています。