3年後の旗印を掲げて重点顧客攻略へ

前回コラムで、重点顧客の強みや弱み、主要製品の特徴や位置づけを分析することで、重点顧客が次にどういう行動に出てくるか予想しやすくなり、先んじた営業活動ができる、と申し上げました。筆者がコンサルティング支援しているメーカーで顧客戦略シートを実際に使ってみると、「キーマンが一人しかいないことがわかった。この方が別の部署に異動したら当社との関係が弱まってしまう」、「同じ製品を扱うA社とB社の顧客戦略シートを作ったら、A社とB社の戦略の違いがよく理解できた」という感想がいただけました。そこで、キーマンが一人だけの重点顧客に対しては、営業部門だけでなく技術や製造などの部門の協力を得たり、要所では社長や役員に出向いてもらったり等、対策を作っていきました。

会社の総力を挙げて活動することが求められる重点顧客への攻め方を決める場合、まず3年後の売上高目標(定量目標)を立てます。同時に「重点顧客のA購買部品のNo.1サプライヤー」になるという定性目標を立てます。このように旗印を掲げることで、営業部門内のみならず、技術部門や製造部門の協力を得やすくなります。

過去3~5年の売上実績を記載した上で、3年後の目標を達成するために分野別に基本戦略を立てます。「組織戦略」では「更なる関係の深化(トップ、技術)」のように関係づくりの方法を描きます。次に「製品戦略」では「●●等当社でとれてない部分を目指す」というふうに、どの商品を重点的に売り込むか決めていきます。さらに「競合戦略」では「研究開発担当者の取り込みによる新製品受注」と、競合にどう勝つのか戦略を描きます。このように、対組織戦略、対製品戦略、対競合戦略など、重要な分野別に戦略を描いて、法人営業の具体的活動に落とし込んで進めていきます。

menu_no2_3

関連記事

  1. 営業革新活動の流れ 課題を見える化して、短期で結果を出す
  2. ポジショニングマップからターゲットリストへ展開 売上UPに向けたターゲットリストのつくり方
  3. 売上UPにつながるヒントを探せる質問リスト
  4. 営業力を科学する売り上げUP研究会イメージ画像 営業プロセスはエース営業マンが知っている
  5. 代理店の強さとは
  6. 値上げ交渉ステップ 値上げ交渉ができていますか?
  7. MAを購買プロセスから考える
  8. 営業部門の役割 営業の仕事は受注だけではない
PAGE TOP