自社に最適な営業プロセスをつくる
先週の売上UPコラムで、営業プロセス管理についてお話ししました。営業プロセス管理を行うには、自社に最適な営業プロセスを設定することが不可欠です。そこで、パン屋さんや洋菓子店などに包装材料を納める包装材販売店において、営業プロセスを設定した事例を紹介します。
「うちの営業員は誰も、新規開拓営業をやってくれない」と嘆く社長に対して、新規開拓営業の進め方について相談に乗っていました。社長が実際に行なっている営業手順を詳しく聞き取り、ホワイトボードを使いながら社長と討議を重ねて、次のような5段階の営業プロセスが完成しました。
営業プロセス管理においては、各プロセスの成果を見える化できないといけません。そのためには、各プロセスの案件数(実施件数)を数えることができて、誰が数えても同じ数になることが必須条件です。そこで、各プロセスにおける案件を定義づけました。例えば④のサンプル提案とは「サンプルを見せて採用を促した」案件と決めました。続いて、③カタログ提案や②引合情報入手も同様に定義づけをして、それぞれの違いを明確にしました。それによって、担当者別にその営業プロセスの案件数がわかり、前月からの増減も一目瞭然になります。経営者と営業員が同じモノサシや認識を共有できるので、対策を打ちやすくなりました。
このプロセスは下から上に進んでいくので、一番下の②引合情報入手プロセスにおいて、どうやって引合いをもらえばよいか考えます。顔馴染み客が多くていろいろな経験を積み重ねてきた社長と違って、経験が浅い営業員は引合いの入手に苦労します。
そこで「引合いをもらえる時は何がきっかけになっていましたか」「経験が浅い社員さんが引合いをもらうには、どんな手段が考えられますか」と社長に問い掛けて討議した結果、引合情報入手プロセスの下に①情報提供プロセスを加えました。
経験の浅い社員さんにもできる情報提供方法として、お役立ち情報を載せたチラシを定期的に制作して営業員が配り、そのチラシを見たお客様から引合情報を入手することからスタートしました。この会社にとっての貴重な一歩です。