売上低迷の真因を把握していますか?

8月末までの期間限定で、30分間のオンライン無料相談会を行っています。先日、或る装置メーカー(A社とします)の役員の方から申し込みがありました。「主力市場である某業界向け売上が伸び悩んでいるので相談に乗っていただきたい」と。

役員の方に加えて営業部長が同席してオンラインの打合せが始まりました。短時間の打ち合わせであっても、コンサルタントは結果を出さないといけません。短いアイスブレイクの後、筆者は問題を特定するために、矢継ぎ早に質問しました。

質問1「競合企業を教えてください」に対して、「B社、C社、D社など4、5社あります」とのお答え。
質問2「貴社はその中で何番手でしょうか」に対して、少し間があいて「3番手くらいです」。
質問3「貴社のシェアは?」と聞くと、「業界統計の数字が整ってないのでわかりません」とはぐらかされます。
ここで諦めたら、真因に辿り着けません。次のような訊ね方をすると答えが分かります。
質問4「高額な装置なので、納入されたら話題になりますし、正確でなくてもだいたいわかるでしょう。20%くらいのシェアがありますか」と鎌を掛けました。「そんなにはないと思います」との営業部長のお答え。

これで問題の所在をつかめました。ここまで20分かかりました。さて、読者の皆さんはおわかりですか。

高額な装置で、参入企業はA社を含めて6社程度。市場シェアは、全出荷台数に占める自社の出荷台数が占める割合を%で表します。他社(残り5社)の出荷状況をつかめないから、市場シェアがわからない、ということです。営業力のある会社なら、3番手に位置していれば市場シェアをだいたい把握しています。なぜならば、結果的に敗戦しても参戦していれば競合他社の納入状況がわかります。そして、自社が参戦できなかった不戦敗先は、代理店や商社に訊ねれば、どの会社に納入されたか捕捉できます。高額な機械や装置を扱うメーカーの多くは、捕捉活動を行っています。

A社は市場カバレッジ、つまり本来ターゲットとなる潜在顧客に対して訪問カバーできている割合、が低いようです。コラム第133号で説明した「不戦敗」がA社では多いと推測されます(オンライン無料相談会では、そこまで突っ込みませんが)。前回訪問から半年後に再訪問したら、いつの間にか競合他社の機械が設置されていた、という笑えないケースが不戦敗に該当します。営業員が案件が発生したことを知らないまま競合他社の間で商談が進み、競合他社が受注・納品しているケースです。

続いて真因を特定するために、下の表をお見せして(何度もご覧になった読者の方にはすみません)、訪問間隔管理をしているかお尋ねしました。営業部長曰く「昔はお客様の見込度に合わせて4段階のランクをつけて、訪問間隔を管理していました。ところが3年くらい前に止めました」。

77.訪問間隔設定表

オンライン相談会を終えて、役員から届いた御礼メールには次のような決意が述べられていました。「まずは現在ある訪問頻度管理のシートを使えるように修正して、徹底することから始めてみたいと思います」。うまく行ってほしいものです。

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1. 8月末までの期間限定で、30分間のオンライン無料相談会を行っています。お気軽にお申し込みください。
2. 不戦敗についてはコラム第133号で詳しく解説しています。

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