信頼を高めるトラブル対応
トラブル対応時の行動力を強化するための三要素
企業のトラブルには、自社商品・サービスの品質不具合や納期遅延等があり、発生してしまったトラブルに対しては迅速に対応し、解決する必要があります。
しかしながら、トラブル対応は「企業にとって受け身の業務であり、突然舞い込む」、「非定型業務である」、「恒久対策が求められ、それにはコストが発生する」という3つの特徴があります。このため、トラブル対応に慣れていない人は「どのように対応(行動)するか」が分からないなど、難易度が高い業務といえます。
すべてのトラブル発生を防ぐことは現実的ではありません。このため、トラブル対応に慣れていない人でもトラブルを円滑に解決するために、あらかじめ組織的、計画的にトラブルに備えることが必要です。
トラブル対応時の行動力を強化するための要素として、①従業員の知識習得、②従業員のスキル向上、③組織としての動機付けの3つが重要です。具体的には、対応策(プロセス、行動)をできる限りパターン化して担当者に周知徹底し、その上で各々の異なる事象に対応できるように組織として教育を進め、さらに個人が動きやすい風土醸成や仕組み化を行います。
知識:トラブル対応における基本行動を知る
トラブルに上手く対応するためには、あらかじめ「どのように対応(行動)するか」というプロセスを知ることが必要です。下図は営業のトラブル対応プロセスです。トラブル発生時にはプロセスに従って、1項の「直ちに現場に行って事実確認する」、3項の「小まめに関係者、顧客へ情報を展開する」、そして、1項から6項までを迅速に対応することが重要です。
スキル:行動のコツを習得し遂行可能とする
円滑にトラブルを解決するためには、プロセス通りに行動するだけでなく、行動のコツを担当者が身につけることが重要です。当社の立場でなく顧客の立場に立って顧客を守るという責任感を持ち、社内の英知を集めて、当事者意識を持って、正面から顧客と対峙することが大切です。
動機付け:組織的なバックアップ体制を確立する
トラブル解決に向けて担当者が動きやすいように、組織的なバックアップ体制を事前に作っておくことが必要です。具体的には、トラブル発生時は、個人が動き易いようにもろもろのタガを外し、報告ルールと対応のグレードを分けて考え、各部署が動き易いようなルールを作ることが重要です。