御用聞き営業を磨き直そう

グーグルアナリティクスで自社ホームページのアクセス状況をチェックしていると、最近アクセスが増えているページに気付きました。それは2022年3月6日に発行したブログ記事「御用聞き営業より提案営業が優れているのか?」です。「御用聞き営業」でグーグル検索すると、68万件がヒットした中で9位にランクインしました(4月9日時点)。検索結果画面の1ページ目に掲載されたので、アクセス数が増えてきたのです。

「御用聞き営業」でランクインした他社のページを1位から順に見ていくと、どれも「御用聞き営業はもう古い、提案営業へ移行すべき」という論調です。果たしてそうでしょうか。筆者は違和感を感じています。

その指摘内容は似通っていて、確かに御用聞き営業の弱点を突いています。しかし、営業員がヒアリングや提案営業が苦手であっても、どれか1つの付加価値行動を加えたら、御用聞き営業は今も立派に通用します。1つ1つ説明していきます。

指摘1:ヒアリングもせずに顧客の注文を待つスタイルなので、競合他社が出てきたら負けてしまう。
助言1:聞き出すのが苦手なら、訪問時に必ず1つ情報提供しましょう。今週はこれ、来週はあれ、と本部が情報を掲載したチラシを用意して、営業員は決められたとおりに配りましょう。お客様自身もニーズに気づいていないだけで、商品・サービスを紹介したら売れるケースがあります。付加価値行動は「情報提供」です。

指摘2:他の業者が価格勝負を仕掛けてきたら、負けてしまう。
助言2:お客様は価格だけで選んでいるわけではありません。電球やホースのような消耗品は取り替えてあげて、パソコンや機械類は初期設定や設定変更を代行してあげましょう。お客様にとって慣れない面倒な作業を代行すれば、少々の価格差を吹き飛ばせるお客様メリットです。付加価値行動は「作業代行」です。

指摘3:以前は、食材や消耗品などを毎回一から注文するのが面倒だったため、定期的に決まった商品を届けてくれる御用聞き営業を重宝した。しかし今は、簡単に見つけて注文できるインターネット通販にとって代わられた。
助言3:人間関係が深い相手なので、顧客社内の備品倉庫や工場に入らせてもらい、在庫切れを先回りして掴みましょう。在庫確認はお客様にとって手間なので代行してあげましょう。付加価値行動は「在庫確認」です。

ここまで説明したことを下の表にまとめました。付加価値行動は「情報提供」「作業代行」「在庫確認」の3つです。

御用聞き営業を強くする付加価値行動

ヒアリングや提案営業が苦手な「御用聞き営業員」は、どれか1つの付加価値行動を加えましょう。御用聞き営業を極めれば、今も立派に通用します。自信をもって取り組んでください!

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毎回何かしらの情報提供を重ねていけば、御用聞き営業は強力な営業スタイルです。御用聞き営業と提案営業の比較表をご紹介します。
御用聞き営業より提案営業が優れているのか?

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