トライアングル・ロープレで商談に勝つ
読者の皆さんに質問です。次の3つのうち、事前練習にもっとも時間を費やすのはどれでしょうか。
1.セミナーやプレゼンで話し手を務める
2.取引先と大事な商談をする
3.取引先の幹部とゴルフをする
筆者の推測ですが、事前練習に費やす時間順に並べると、3.ゴルフ、1.セミナーの話し手、2.大事な商談、になる方が多いように思います。法人営業において実施回数が一番多く、売上計画達成にもっとも影響を及ぼす商談の実施に対して、なぜ事前練習が少ないのでしょうか。
野球、ラグビー、ゴルフなどのスポーツ選手はビジネスパーソン以上に準備を重ねます。ある場面を想定して、何度も何度も繰り返して練習します。一流になっても、いや、一流だからこそ血がにじむような練習を繰り返します。なぜあれだけ練習するのでしょうか。本番では相手が、自分に良いプレーをさせないように圧力をかけてきますし、観客が浴びせる応援や野次がプレッシャーになります。試合は、一度負けると挽回する場がない「一発勝負」です。そんな本番環境で実力を発揮するために、繰り返しの練習が必要なのです。
法人営業における商談も同じです。しかしビジネスパーソンは、提出資料の作成や社内の根回しには時間をかけて、事前に頭の中で商談のシナリオを練るものの、営業トークは「ぶっつけ本番」が実に多いです。スポーツ選手に比べて、我々の練習量が少ないと思いませんか。
だからこそ、ロールプレイング技法が有効です。実際の商談で起こりそうな場面を設定して、営業マンと顧客に扮した二人が商談を模擬的に行うことで、相手の気持ちを洞察して、望ましい行動や基本動作を会得できるトレーニング技法です。つまり、本番を想定して、練習を繰り返しているのです。
当研究会では、営業役、顧客役に加えて、オブザーバー役を用意した、3人制ロールプレイングを「トライアングル・ロープレ法」と名付けて推奨しています。岡目八目といいますが、当事者から離れて遠くから商談を眺めてみると、客観的に正しく判断できます。ぜひトライアングル・ロープレ法を皆さんの部署内で実施して、商談成功確率を高めて頂きたいと思います。
当研究会では3回に分けて「トライアングル・ロープレ法」をオンラインセミナーで解説します。部下や後輩の方にぜひお薦めしてください。
オンラインセミナー開催案内「トライアングル・ロープレ法/導入編」(11月15-19日視聴)