中長期の営業方針が社員に十分浸透していない

当研究会が実施する営業力診断アンケートには50の選択式質問があり、その中に営業方針や経営者の出す戦略の浸透具合を問う質問が3つあります。過去に回答した500名以上の傾向として、3つのどの質問のスコアが一番低いでしょうか。ちなみに、選択肢は四択で、「あてはまる」5.0、「やや当てはまる」3.3、「あまり当てはまらない」1.7、「当てはまらない」0.0というふうに、5.0から0.0までの幅があります。

【営業方針や経営者の出す戦略の浸透具合を問う3つの質問】
A 今期(1年)の営業方針を理解していますか。
B 中長期(3~5年)の営業方針を理解していますか。
C 経営者の出す戦略が適切だと思いますか。

85.営業方針.戦略の浸透度

Aの回答平均が3.57、Cが3.35とほぼ同じです。一方、Bは2.70にとどまり、A、Cと比べてかなり低いスコアになっています。管理者と担当者とを比べてみると、3問とも管理者(マネージャー層)の方がわずかに高めになっています。これから何が読み取れるでしょうか。

経営者は今期の営業方針や戦略は会議などで日頃から説明していて、営業員はある程度理解しています。一方で、中長期の営業方針のスコアが低いことから、日頃は語ってないのでしょう。経営者の方針を担当者に伝える立場である管理者でさえ、担当者とほぼ同じスコアですから、伝え方の問題でなく、そもそも管理者でさえ理解できてないのです。

中長期の営業方針やビジョンが、壁に掛かる額の中に掲げられているだけに留まっている会社が多いようです。社員が、自分たちが目指す方向性だと実感するためにどうすればよいでしょうか。下図のように、中長期の営業方針やビジョンを、長期目標、中期計画、短期計画などへ関連付けて設定することが有効です。

59.ビジョンと目標設定

詳しくは、経営戦略、ビジョン、長期目標、中長期・短期営業方針の流れを解説したページ「戦略・計画」をぜひお読みください。

関連記事

  1. 失注と敗戦は違います
  2. 顧客戦略シート 重点顧客との関係強化は、事業計画と関連付ける
  3. なぜ営業力を科学するのか? 属人的な営業からの脱出
  4. ロールプレイングでは商談場面を詳しく設定する
  5. アサヒスーパードライ.生ビールNo.1 分野を絞り込んでNo.1をつくる
  6. 重点顧客における行動計画表 重点顧客との関係づくりにトップを巻き込め
  7. インサイドセールスが初回訪問へつなげる
  8. 定量的と定性的な営業方針の立て方 定量的と定性的の意味と使い分け方
PAGE TOP