自社商品を評価するお客様を見つける

「価格で負けました」営業マンに注文がとれなかった理由を尋ねたら一番に出てくる理由です。特に利ザヤを大事に考える商社や代理店は、価格を優先して選びがちです。しかし、その先の客であるエンドユーザーが必ずしも一番安い価格を求めるわけではありません。もちろん価格が安ければ越したことはないですが、価格よりも優先するものがあります。

高精度がウリの工作機械メーカーA社を例にとります。例えば金属加工業のB社にとって、自社のキャッチフレーズが「加工精度なら(他社に)負けません」としましょう。加工精度が粗い部品を組み込んで故障が多ければ、お客様から返品されてしまって、評判は落ちるし他のお客様からの受注も減ってしまいます。そこでB社は、高性能な工作機械を導入し、作業者の教育にお金をかけることで、生産コストが少し割高になっても、精度が他社に負けない金属部品を作ろうとします。この加工精度こそB社が工作機械を選ぶ際の選定要因となります。
16.立場による購買選定要因

精度があまり求められないが低コストの部品を量産したいC社のような金属加工業者ももちろん多くあります。工作機械メーカーA社としては、コスト最優先のC社に売り込むより、高精度を求めるB社に売り込んだ方が成約の確率は高まります。購買選定要因は、商品価格、仕様・性能、生産能力・短納期、サイズ(大きさ)・デザイン、ランニングコスト(消費電力、修理代)など商品関連の要因に加えて、サポート・アフターサービス力、担当営業マンの能力・好き嫌いまでいろいろあります。

この戦略力においては、会社の経営戦略に沿った営業方針の構築、自社の強みが活きるターゲット市場や顧客の選定を進めます。まずは自社の特徴や強みを見定めることが最初のステップです。

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