営業の役割とプロセス
営業部門の役割
営業部門には、いろいろな役割があります。
もっとも重要な役割は、顧客を訪問し、提案して受注することです。
開発や生産などの企業活動には多くのお金がかかります。こうした企業活動の成果を、売上としてお金に換金して回収できる唯一の職場、それが営業です。
受注するためには日頃から、クレーム対応を含めて既存顧客と関係を維持したり、新しい顧客を創造し開拓していく地道な活動が欠かせません。
さらに、商品開発のために市場動向や顧客ニーズの情報を収集し、会社の代表として情報を発信することも営業部門に求められる役割です。
◯営業部門の役割
1 | 顧客への訪問、提案、受注 【狭義の営業:企業活動の成果を売上として換金し回収できる唯一の部署】 |
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2 | 既存顧客との関係維持(クレーム対応含) |
3 | 顧客の創造・開拓 |
4 | 市場動向・顧客ニーズの情報収集 |
5 | 会社の代表として情報の発信 |
プロセス管理
早く注文をとってこい! それで注文をいただけた時代がありました。
しかし、顧客ニーズが多様化して競争が厳しい現代において、訪問も提案もしていない所から急に注文はいただけません。
注文(=売上)という結果管理でなく、プロセス管理がいまの主流です。
営業におけるプロセスは、業種や業態によって多少の違いがありますが、概ね次のような流れとなります。
1 | 営業計画・訪問計画を立てて、初回訪問をする。 ⇒初回訪問の結果として、引合案件を入手できる。 |
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2 | 引合案件を具体化させるために、訪問活動を続ける。 ⇒訪問活動の結果として、提案案件を入手できる。 |
3 | 提案案件をランクアップさせるため、提案やプレゼンテーションを実施する。 ⇒提案の結果として、見積案件を入手できる。 |
4 | 見積案件に対して、お互いの条件を詰めて、クロージング(受注活動)を行う。 ⇒クロージングの結果として、受注案件を入手できる。 |
5 | 一連のプロセスの中でうまくいかなかった部分を改善し、 次の営業活動に反映する(フィードバック)。 |
当研究会が調べたところ、業績をあげている企業ではプロセスがしっかりしていて、
営業に課題を抱えている企業ではプロセスのどこかに問題があるようです。
問題がある場合、次のような視点で、現状分析をします。
- どんな問題が発生しているのか?
- マネージャー、担当者はどのように認識しているのか?
- このプロセスのどこにボトルネックがあるのか?
- どうすればスムーズに流れるのか?

【法人営業プロセスの一例】
売上UPに向けたプロセス管理
営業部門にはノルマ(計画、予算)があり、定期的な営業会議でノルマの達成具合を討議します。今後は次のような視点が大切になります。
【それぞれのプロセスにおける額(または数)をいかに大きくするか?】
「今月の受注はどうだったか?」に加えて、次のような管理が大切です。
- (来月の売上につながるような)見積案件は増やせたか?
- 提案案件の数は十分か?
- 引合案件を入手できたか? そのための訪問数は十分だったか?
【次のプロセスにランクアップできる割合をいかに大きくするか?】
いかに引合案件を多く獲得できてもランクアップできないと受注に至りません。そこで、ランクアップできる確率を高める管理が重要です。
- 引合案件を提案案件にランクアップする確率
- 提案案件を見積案件にランクアップする確率
- 見積案件を受注案件にランクアップする確率