【バンクビジネス連動企画:第9回】「相手が”ウン”と言うアポどりをしよう」
【近代セールス社「バンクビジネス」誌2017年12月1日号】
※当企画は、近代セールス社「バンクビジネス」誌の連載「すぐに成果が出る法人営業力UPセミナー」に連動しています。「バンクビジネス」誌の詳細は、こちらから。
第9回 商談プロセス「初期訪問」編 「相手が”ウン”と言うアポどりをしよう」
金融機関の若手行職員向けの雑誌「バンクビジネス」において、当研究会の会員が執筆する連載が始まりました。2017年4月1日号スタートの連載「すぐに成果が出る法人営業力UPセミナー」という毎月1ページのショートセミナーです。 この連動企画では、雑誌の1ページに入りきらない、とっておきの豆知識を紹介します。また、内容は金融行職員さんに限ったものではなく、対象を広く一般企業の営業マンとして役立つものにしました。これを読んで、明日からの営業活動に役立てていきましょう。
「段階的要請法」とは正反対の交渉テクニックもある!
「バンクビジネス」誌では、自分の行動、発言、態度、信念などに対して一貫したものとしたいという「一貫性の原理(法則)」という心理学を応用した交渉テクニックとして、「段階的要請法」をご紹介しました。
しかし、実は正反対の交渉法も存在します。
それは、「譲歩的要請法」と呼ばれています。段階的要請法と異なり、まず拒絶されることを前提とした大きな要求を依頼し、その後本来の(通したい)要求を依頼することで相手から承認を得る交渉テクニックであり、別名「ドア・イン・ザ・フェイス」とも呼ばれています。
一般企業でもすぐに使える電話アポイントトークシナリオ
それでは一般企業の営業マンが「譲歩的要請法」を活用してアポイントを獲得する電話トーク例を挙げてみましょう。
①営業マン「貴社は〇〇業界に向けた事業を行っていらっしゃいますが、実は当社で〇〇セミナーを来週控えておりますがご来場はいかがでしょうか?きっとお役に立つと思いますが。」 →お客様「ええと・・・、その日はちょっと忙しくて・・・。」
②営業マン「そうですか。それでは、後日になりますがセミナー内容をまとめた資料を情報提供としてお渡しさせていただいてもよろしいでしょうか。」 →お客様「はい。ぜひ。」
③営業マン「それでは、〇日か〇日ではどちらがご都合よろしいですか?」→お客様「そうですね。〇日ではどうですか?」
このように、「要求を一度断ってしまった」という多少の後ろめたさから、次の要求を承認する方向へ考えがちになるという人間心理を活用した交渉テクニックです。
「段階的要請法」も「譲歩的要請法」も使用時には注意を!
シーンに応じて「段階的要請法」や「譲歩的要請法」を上手く活用することで、アポイントの獲得率はさらに高まります。
なお、今回ご紹介したどちらの交渉テクニックも、電話アポイントに限らずその後の様々な商談シーンで応用することができます。しかし、同一の相手に多用してしまうと人間関係を壊すことにも繋がりかねませんので、活用時には常にお客様に敬意を払って取り組みましょう。