代理店の機能を活かす
代理店や販売店(一般的に卸売業に属します)が担っている機能はほぼ共通しており、下の表のとおりです。メーカーから商品を大量調達して、自社のリスクで在庫を抱えて、全国津々浦々の小売店に配送するという、①調達販売機能、②物流機能を、卸売業が担ってきました。しかし、インターネットや全国物流ネットワークが進化した現在では、BtoCではアマゾン、BtoBではモノタロウに代表される、強大なネット通販業者がその機能を担うようになりました。
そのあおりを受ける形で、卸売業の強みが相対的に弱まっており、「中抜き」といわれるメーカーとユーザー企業・小売店がダイレクトに取引する割合が増えています。では、卸売業はどのように自己変革して生き残りを図っていくべきか。その有力な選択肢が、情報を武器として提供することを強化していくことです。メーカーに対しては、市場の動向やニーズをもとに新製品開発や生産調整に役立つ情報を、小売業者に対しては売れ筋や新製品情報をいち早く提供するリテールサポート機能となります。
メーカー、ユーザー企業や小売店としては、情報提供機能に優れた代理店や販売店との取引関係を強化していくことが大事になっています。