うまくヒアリングすれば顧客が教えてくださる

6月14日の当コラムの顧客分析項目として、顧客の購入品における当社品が占める割合(顧客シェアといいます)を挙げました。顧客シェアが低いということは、他社品のウェイトが高いということであり、やりようによっては販売数の増加余地があるといえます。顧客シェアを算出するためには、分母となる顧客の購入数量もしくは生産数量が必要となります。しかし、一部の業界を除けば、顧客の品目別の生産数や業界でのシェアなどをまとめた業界レポートは存在しません。

もっとも正確で安上がりな調査方法は、顧客に聞くことです。「当たらずも遠からず」という精度で大体わかります。しかし「年間に何台生産しておられますか」と台数そのものをストレートに尋ねても、顧客にとって社外秘情報なので、答えていただけません。問いかけ方次第です。

例えば顧客の年間生産台数が4.2万台だと推測している場合、その推測値より少し多めの台数を挙げて質問してみます。「コストダウンを検討するために将来の生産見込数量を見積もっています。可能な範囲でお教えいただきたいのですが、御社では年間5万台くらい生産しておられますか?」と問い掛けます。お客様が「そんな立派じゃないですよ」と強い否定口調で回答したら、次に「業界上位におられる御社でしたら年4万台はあると思いますが」と再び尋ねると「まあ、そんなもんですよ」と肯定口調で応じられました。この2つの回答から4~5万台の間、おそらく4万台前半だと推定できます。

このように、立場上正確な数字を口外することはできないものの、Yes/Noならお客様も答えやすくなります。顧客にとってもメリットがあることなので協力してあげたい、という気持ちでヒントを出していただけます。数字をこちらから出してYes/Noで答えてもらうこと、お客様のメリットを提示することでお客様から情報をいただきましょう。

24.顧客情報のヒアリング法

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