SFAに記録されない重要商談の3タイプ

SFA(営業支援システム)を導入して、営業員の日々の商談結果を記録している会社は多いと思います。お客様を毎日訪問して、夕方パソコンに向かってSFAに商談結果を記録するのですが、重要な商談なのにSFAに記録されないケースが多いのです。大きく分けて、3つのタイプがあります。貴社ではどれに該当するでしょうか。

まず、1つめです。下図の商談履歴(Aパターン)を読んで、何か気付きましたか。
87.1a.SFA商談履歴Aパターン

8月23日に展示会の招待券を持参して、続く9月6日に興味ある機械がCX機に特定できました。ところが9月22日の商談でいきなりED機が出てきます。「CX機の書き間違いか?」と上司は勘ぐってしまいました。

そうです。展示会当日の商談記録がないのです。自社の実機やデモンストレーションをご覧になったお客様からその反応を聴取するという、展示会は一番重要な商談場面です。しかし、営業員は展示会の期間中に何十人もの来場者と会話をして、それが数日間続くものですから、名刺の裏や来場者カードに商談メモを書いて自社受付に提出して終わり、になっていないでしょうか。

下図の商談履歴(Bパターン)だと、展示会当日(9月16日)の記述があることで、状況の変化が分かります。数ヵ月経てば担当者自身も記憶が薄れてしまいますので、後で正確に思い返せる商談履歴に仕上がっています。
87.2b.SFA商談履歴Bパターン

会社によっては、営業企画部門が展示会の来場者情報を集約するので、展示会の商談記録が抜けた、Aパターンの商談履歴になることがあります。展示会効果を一表に集約できる利点がある反面、営業活動に使いづらい商談履歴になってしまいます。どう両立させるか考えて頂きたい点です。

2つめは、ゴルフ接待の商談記録です。ゴルフは半日を一緒に過ごす中で、職場では日頃聞けない話を聴けて、相手の性格がよくわかる素晴らしい商談の場です。これを書かない営業員が実に多いのです。筆者の肌感覚では8割を超えるのではないでしょうか。「この人はゴルフ代をムダにしていない」と感じた営業員の商談記録は「○○株式会社◇◇部長:スコア〇〇。趣味はゴルフで月2回ラウンド。来春に大きな人事異動があるらしい」。ゴルフは4名で行うので、一緒に回った残り2名も同様にSFAに商談記録しています。この営業員はバリバリ切れるタイプではないのですが、コンスタントに大型商談をまとめる人です。情報の重要性を何より理解しているのではないでしょうか。

3つめは、会社幹部が1:1で先方幹部と面談するケースです。会食の接待も該当します。「あるある」と感じた読者が多いのではないでしょうか。担当者が同席していれば担当者がSFAに記録しますが、幹部一人だと後日「先方が設備投資の予算を上げることになったので、それ用の見積書を用意してくれ」と部下に口頭指示するだけになりがちです。営業担当者はそこに至った背景を知らぬまま、SFAにも残らぬままです。

3つに共通するのは、営業員が先方会社を訪問するような定期訪問でないことです。貴社ではいくつ該当したでしょうか。SFAにはいろいろな用途がありますが、その1つは商談を記録して商談履歴として社員の誰もが後で見返せるためのものです。ここに挙げた3つのタイプはどれも重要な商談です。どうやって記録に残すか、ぜひ深くお考えください。

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