売れる顧客の発掘法

「どういう客層に営業すべきかわからない」困りごとに最適

売れる顧客とは?

売れる顧客とは、自社商品のコンセプトや特長を評価していただける顧客です。
例えば、1年で交換するのが一般的な工作機械用部品において、自社が「3年使える高耐久性」を標榜した商品を開発したとしましょう。他商品より3倍の耐久性を持たせるために、精度が高い材料を使って、熟練工が時間をかけて加工すれば、当然コストアップします。

工作機械に組み込む部品なので、顧客は工作機械を使う金属製品の加工業者(工場)です。そのうちのA社は、数多くの工作機械を有していて、低価格かつ大量生産がウリですが、納期がよく遅れるともっぱらの評判です。一方のB社は、価格は少し高めですが、超短納期を標榜しており、必ず納期を厳守します。当社商品を評価してくださるのは、どちらの会社でしょうか。

売れる顧客の発掘ステップ

A社は安い製品を作るために、工作機械用部品に対しても低価格を求めてくることが予想されます。一方のB社は、ウリの納期厳守を守るために、工作機械が突発故障を起こさないように心がけています。工作機械に組み込む部品も、少し高くても耐久性が高い部品を買っていただける可能性が高いです。

このように、当社商品の良さを評価しないA社にはいくら頑張っても売れる確率が低いですが、B社は高耐久性を重要だと考える「売れる顧客」といえます。つまり、自社の強みを評価してくださる「売れる顧客」を発掘してターゲットリストに組み込んで、営業活動することが大切です。

「売れる顧客」を発掘するためには、3つのステップで進めます。
1. 自社を取り巻く環境を、顧客・ライバル・自社に分けて現状把握する
2. 現状把握で得られた顧客や自社の情報を活用して、顧客の位置づけ(ポジショニング)を明確にする
3. ポジショニングマップの位置や円の大きさを比較しながら、売れる顧客を見出す

売れる顧客の発掘1

これら3ステップを通じて得られた「売れる顧客」をターゲットリストに組み込んで、日々の営業活動を行うと、成約確率がグンと高まっていきます。

三社分析によって現状把握

「売れる顧客」を発掘する最初のステップです。
「顧客」「ライバル(競合他社)」「自社」の三社の現状をつかみます。最初の「顧客」においては、現在のお客様に加えて、今後のお客様候補も含めた「顧客各社」の情報を、次のような尺度から整理します。

・お客様が属する業界の規模、成長性
・顧客別のニーズ(言い換えれば、商品採用において重視するポイント)
・業界の変化や動き
・顧客それぞれの収益性 等々

これら情報を把握、整理するための問いかけリストを用意しています。下記はその抜粋ですが、これに答えていくことで必要な情報が整理されていきます。

売れる顧客の発掘2

ポジショニングマップによる売れる顧客の絞り込み

三社分析を通じて得られた顧客、ライバル、自社の情報を整理していきます。まず、社内に蓄積された売上実績から、顧客のA社からE社までの売上高、利益、利益率を転記します。次に、A社の部品使用量を100%とした場合に当社品が占める割合を「自社シェア」と言いますが「大体これくらいだろう」という推定値を記入すれば、その会社が使用する総量「100%売上高」が算出できます。

次に顧客が採用するに当たって重視するポイントを選びます。すると、次のような表が完成します。

売れる顧客の発掘3

売れる顧客のターゲティング

これらをポジショニングマップ(以下)にまとめると、縦横の位置関係(ポジショニング)や円の大きさから、顧客の状況が見えてきますので、どの顧客を狙うか決めていきます。顧客を決めたら、ターゲットリストに組み込んで営業活動を開始します。

また、その中の重点顧客に対しては、別の営業力強化メニューである「重点顧客との関係強化法」を使って、会社どうしの関係を強化して、売れる基盤づくりをしていきます。

売れる顧客の発掘4

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