最適な売価設定法

売価設定と価格交渉への対応例

営業活動の中に見積(売価設定)があります。「自社は高く売りたい」「顧客は安く買いたい」という思惑のもと、価格交渉が行われます。たとえば価格交渉の場面の一つとして「追加注文の見返りとした値引き」を要請された場合、どのような対応をするのがよいでしょうか。
「売上UP株式会社」という架空の会社で考えてみましょう。

【売上UP株式会社】商品Aの売上高

売上UP株式会社の取扱商品は商品Aの1つだけです。商品Aの販売価格は1,000円、年間9,000個販売しており、年間売上高は9,000,000円です。

最適な売価設定法1

【売上UP株式会社】商品Aを生産するために必要な費用(原価)

商品Aの原価は、材料費などの変動費が1個あたり500円、労務費や家賃などの固定費が年間4,000,000円です。つまり9,000個販売(生産)した場合は年間8,500,000円の支出です。
ちなみに、生産能力は年10,000個分あり、1,000個分の余裕があります。

したがって、商品Aを9,000個売った際の「売上UP株式会社」の当期の損益は+500,000円です。

最適な売価設定法2

価格交渉のケース

生産余力があと1,000個分ある場合に、次の2つのケースで追加注文があった場合、どのように対応するか考えてみましょう。

★【ケース1】値引きがともなう追加注文への対応

1,000個追加注文する条件として、販売価格1,000円から200円の値引きが求められました。

最適な売価設定法3

<生産余力の確認>
ちょうど1,000個分の生産余力があるので、現状の体制で(固定費を増やさずに)注文に応えることができます。

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<損益を計算し対応方法を決める>
固定費は変わらないので、コストは変動費のみです。売上800,000円、費用500,000円となり、損益として+300,000円の効果があります。つまり、値引いても受注すべき案件であることが分かります。

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★【ケース2】大幅値引きを求められる大量注文への対応

注文数量は2,000個という大量注文で魅力的ですが、1個あたり600円と低価格の案件です。

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<生産余力の確認>
追加の2,000個に対して、生産余力は1,000個分しかないため、この注文を受けるには1,000個分の増産対応が必要になります。売上UP株式会社は残業して対応することにしましたので、1個あたり250円の追加変動費が発生します。

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<損益を計算し対応方法を決める>
受注した場合の売上は+1,200,000円です。費用は生産余力内で生産する1,000個分として500,000円、残業して対応する1,000個分として750,000円、つまり費用として1,250,000円発生します。したがって、損益は-50,000円となるため、売上高は増えますが赤字も増えるので、当案件は受注すべき案件でないことが分かります。
つまり、受注するには625円超で販売する必要があり(625円×2,000個=1,250,000円)、そのように価格交渉しなければなりません。

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営業が遭遇する価格交渉(設定)をサポートします

以上のケースのように、価格はさまざまな要素(顧客の提示価格、自社の原価、余力など)から決まり、それに対応する営業担当者の負荷が高くなりがちです。この営業担当者の価格交渉や売価設定を助ける手法を紹介します。

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売価設定サポート手法

分析により販売する商品の利益水準の度合いと適正な売価を把握し、それに基づき自社の対応を決める手法で、見積や価格交渉をサポートします。
3つの流れから営業の最適な対応を導きます。

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①「確保したい利益」を分析します

自社全体の売上や費用をExcelシートに入力するだけで、「各案件における確保したい利益」を算出することができます。

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②適正売価を把握します

過去の販売データをもとに散布図を作成し、適正売価を導き出します。

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③案件への対応方法を決めます

①確保したい利益、②適正売価をもとに案件への対応方法を分岐図によって決めます。これにより「儲かりにくい案件にどのように対応すべきか」への答えを導き出すことができます。これにより経験が浅い営業担当者でも価格交渉対応などが可能になります。
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