新規顧客開拓の成功確率を高めるターゲット設定

新規顧客開拓に取り組んでいる会社は多いと思います。読者の皆さんは売り手の立場が多いでしょうが、本コラムでは、買い手の立場から新規顧客開拓を見てみましょう。

新規顧客開拓のアプローチを受ける買い手の会社には、すでに商品を仕入れている既存仕入先があります。その仕入を止めて、アプローチしてきた会社に転注するわけですから、商品の機能、価格、納期などにおいて明らかな差(メリット)があれば、転注に応じます。とは言え、競争の厳しい成熟社会において商品の差異化は難しいので、新規顧客開拓は難易度の高い活動です。

確かに難易度の高い活動ですが、新規顧客ターゲットの設定の仕方によって、新規顧客開拓の成功確率が高くなったり、逆に低くなったりします。そこでは、数ある類似商品の中で、自社商品を評価してくださるお客様を見つけることが重要です。

まずSWOT分析などを行い、自社商品の特長と強みを正しく理解します。次に、自社の強みを評価してくださるターゲット市場や顧客層(セグメント)をみつけていきます。

たとえば、寸法精度が高くて耐久性のあるプラスチック成型品が得意な成型工場の場合。いまは玩具や電化製品のメーカーに納入しているので、取引数量は多い一方で低価格の輸入品と競合するために低採算に苦しんでいます。一方、医療・介護機器メーカーだと取引数量は少ないですが、寸法精度や耐久性を重視してもらえ、今後の市場成長が期待できる分野です。後者のような客を選んで拡販を図っていくことが自社の営業方針に合致しています。

次に、顧客ニーズなどの顧客分析をしていきます。そこで把握・整理したい情報は、以下の4つです。
1. 主な顧客の企業規模・成長性(売上高、従業員数、売上高成長率)
2. 取扱商品と主な対象業界
3. 顧客の購入品に占める当社品が占める割合(顧客シェア)
4. 業界の動向、今後見込まれる変化

これらを把握・整理するための問いかけを下図にまとめました。これを切り口に調査して、新規顧客ターゲットを設定してみましょう。

把握整理するための問いかけ

関連記事

  1. 営業部門の役割 市場動向・顧客ニーズの情報収集も営業の仕事
  2. 新商品の営業プロセスと見極め方 キラリと光る営業行動から「売れる仕組み」を見つけ出す
  3. 売れるかどうかはターゲットリストで決まる
  4. 営業プロセス いきなり受注はありえない
  5. 営業方針を行動に移すために達成基準をつくる
  6. 営業力を科学する売り上げUP研究会イメージ画像 株式会社売上UP研究所の設立
  7. 経営環境の概念 2023年、おさえておきたい環境変化トップ10!
  8. 包装材料店の売上UPピラミッド例 営業プロセスごとの達成基準の立て方にコツがある
PAGE TOP