オンライン商談で売り手が主導権を取り戻す

先週の売上UPコラムでは、オンライン商談の冒頭で、相手方出席者のお名前や所属部署を確認する方法をご紹介しました。当方出席者がまず自己紹介をした上で、同様に相手方出席者に自己紹介をお願いするというやり方です。

前回コラムでご紹介した図に一部加筆して、改めて示します。

74.オンライン商談で売り手が主導権を取り戻す

図の左側にあるリアル(対面)商談の流儀は、筆者が社会人になった1980年代後半から変わっていません。それ以前もほぼ同様の形式だったと思います。売り手側は買い手側の事情を詳しく知らないと最適な提案ができないので、朱筆で記した名刺交換、雑談や面談中に得た情報を入手することを重視します。「情報入手」という営業プロセスに相当します。買い手の情報を先に入手した上で、口頭で補足説明しながら提案できるので、「売り手優位」の商談スタイルが長く続いていました。

ところが、コロナ禍で否応なくオンライン商談に突入すると、買い手は自分たちの情報をあまり出さずに、売り手の提案内容や見積条件を得られることに気づきました。それも口頭でなく文書として事前入手できます。今まで苦労して売り手から引き出してきた情報を早く得られるし、書き物なので「言った、言わない」を防げて、さらに社内で説明するのが格段に楽になりました。オンライン商談は「買い手優位」であり、買い手にとって実に都合がよいのです。だから、オンライン商談についてのアンケート結果の上位回答に「効率が良くなった」が出てきます。しかし売り手にとって、特に新規開拓営業やクロージングを手掛ける売り手企業にとっては全然効率的ではありません。

法人営業を手掛ける企業は、買い手優位となっているオンライン商談で、売り手がいかに主導権を得て商談を進めるか!が大事なのです。ですから、前号で説明した相手方出席者のお名前や所属部署を事前に確認することが大事なのです。次に商談に突入したら、いかに相手の困り事や検討状況を早く聞き出すか。

コロナが沈静化してもオンライン商談の旨味を知った買い手企業はこのやり方を手放さないでしょう。だからこそ下に示すような資料を用意して、いくつもの商談シーンを設定したロールプレイングで、オンライン営業に強い営業マンに変身させましょう。

74.2 オンライン商談ロープレフォーマット

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