オンライン商談で顧客情報を得るには?

筆者が継続支援させて頂いている某メーカーでは、或る業界の工場向けにウェビナー(オンライン上で行うセミナー)を開催しています。受講者の部署や役職を記入するセミナー申込書を通常は入手するのですが、先日のウェビナーではこれを入手できない中で、工場のキーマン数名に対して開催することになりました。先週紹介した下図において、ピンクの箇所のとおり「所属や役職を知らない相手が混じる会合」になりました。

73.リアル商談とオンライン商談の違い

工場には製造部、生産技術部、品質保証部などの部署があり、部署によって役割が違います。セミナー後の質疑応答において、同じ質問であっても発言者が製造スタッフなのか品質保証スタッフなのかによって、質問の意図が変わってきます。つまり、相手のプロフィールを知っておかないと的外れな回答になってしまい、ウェビナーの受講者満足度が変わってきます。

リアルで開催すれば「●●部の□□です。本日はありがとうございました。質問は…」という質問の仕方になりますから、部署名に加えて身振りから質問の意図を掴むことができます。では、どうすればよかったのでしょうか。冒頭に次のようなやりとりを入れることをお勧めします。

メーカー側Aさんが口火を切ります。
「開催にあたって自己紹介をいたします。私は営業企画課で課長を務めております渡邉です。担当する業務は弊社製品のお客様導入事例集や使い方説明資料を制作しております」

メーカー側Bさんも続いて自己紹介を行います。続いて、メーカー側Aさんが工場側にお願いします。
「すみませんが、簡単で結構ですので、お名前と所属する部署をお一人ずつ教えて頂けますでしょうか」

上の図でいうとイエローの箇所の名刺交換と雑談、そして場を和らげるアイスブレーキングに該当しますから、相手も自然に対応できます。この5分くらいのやりとりで、オンライン商談でも両者の関係が一気に縮まります。

今日からやるぞ!と営業マンに指示するだけでは不十分です。
この場面をロープレ設定表に書き込んで、営業全員を集めてロールプレイングを繰り返しましょう。

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ロープレ設定表の見本を掲載しています。オンライン商談の要諦を織り込んでロールプレイングメニューを行いましょう。
営業力強化メニュー「商談力を高めるロールプレイング」

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