営業会議のやり方次第で目標達成できる

営業会議は組織として営業力を高めるためのマネジメントサイクルを回す場

営業会議をどの程度の頻度で開催していますか。そして、どのような議題について討議していますか。

当月の売上状況を担当者が報告して、上司の「(足りない分は)どうするのか?」に対して「何とか頑張ります」と答えて終わるような、何も対策を決めない営業会議が多くあります。営業会議は、単なる「報告の場」ではありません。「組織として営業力を高めるためのマネジメントサイクルを回す場」であることがポイントです。営業にかかわる管理者と担当者が出席して、月に1回は開催して、下図のような議題を討議しましょう。

売上目標と施策について進捗管理を行う

議題の1つめは「売上目標の進捗管理」です。当月・翌月の売上見込状況を確認し、目標と比べてどのような状況なのか、最新状況を共有します。これは多くの営業組織で実施していると思います。つづいて、目標値に対して不足が発生していれば、不足を埋める案件や対策案を出します。

さらに活性化した組織では、重要案件や若手が進め方に困っている個別案件を選んで、全員で「次の一手」についてアイデア出しを行っています。これを行うことで、営業部のチームワークが高まり、全員で目標達成する機運が高まる効果が得られます。大事なことは、目標に対して不足が発生していれば、誰が、いつ、どのような対策を打つのかを決めて、全員で共有することです。

上図の議題の2つめ「施策の協議」とは、営業方針で実施することを決めた施策やイベントについて協議することです。例えば、在庫拡販キャンペーン施策や展示会出展の企画について関係部署間で調整し、施策の進行中には進捗状況を確認した上で、必要に応じて対策を講じて、PDCAを回します。

また、市場・顧客・競合の動向など、各営業員が集めた情報を共有します。共有するだけなら他の報告方法もありますが、関係者が意見を交わしながら状況分析することが大切です。さらに、営業力の底上げとして、担当者が持ち回りで成功事例を発表して共有したり、商品勉強会やロープレにより商品知識や商談技術を磨いたりしていきます。

このように売上目標の進捗管理にとどめず、営業施策、マーケット情報共有や営業スキルの向上など、営業力を高めるための一連の活動を営業会議で行っていきましょう。

成功する会議の条件

会議を成功させるには、開催方法に工夫が欠かせません。事前に議題を共有して会議資料を準備することはもちろん、プロジェクタなどを使って同じ資料を見ながら、報告ではなく「議論の場」にします。言いっぱなしを防ぐために、終了後には議事録を作成して宿題を書いて残します。営業会議で決めたことを確実に実行して、目標達成に突き進みましょう。

週次ミーティングで進捗管理を行う

営業会議は月1回行う企業が多いですが、もっと短い間隔で進捗管理を行うことが大切です。そこで、営業チーム内のミーティングは、営業リーダーが率先して「毎週」行いましょう。売上目標に対する不足や営業施策の遅れが発生したら、週次で修正していきます。その場が週次ミーティングです。週始めの月曜午前、週終わりの金曜午後に行う会社が多いようです。

月曜に行うのであれば、先週の案件の進捗確認と売上見込の最新化を行います。営業施策や目標達成手順書の進み具合を週次管理するのも、この場が適当です。そのほか、市場や競合の動きについて集めた情報を共有し、問題や課題があればどのような行動をするのか決めます。

今週の行動については、担当者が申告した週間訪問計画を確認した上で、主な訪問先と商談目的を確認し、商談目的を達成するために準備ができているかどうかに気を配ります。部下の日報を読むのは重要ですが、対面で状況を聴いてアドバイスし、必要なら同行訪問するなど、熱くフォローしましょう。

1日5分面談で頻繁にコミュニケーションをとる

週次ミーティングは多人数で行うため、部下の本音を聴けないことがあります。そこで、部下と1対1で1日5分程度、面談をしましょう。短い時間でよいので「毎日話し合う」ことが重要です。夕方行う場合は、当日の主な商談結果を聴き、問題や課題を挙げてもらって、どのような行動をするのか確認します。続いて、翌日の行動予定について、主な訪問先と商談目的を聴いた上で、商談目的を達成するためにどのような準備をするのか確認します。

部下が4人いれば、1日5分面談に20分かかります。忙しい上司としては負担が大きいですが、結果が出れば売上に貢献しますし、部下が育てば組織も個人も活性化します。部下の育成こそ一番重要な仕事です。それだけの時間を使う価値がある活動です。

月次・週次・日次のコミュニケーションを組み合わせて目標達成する

月次で行う営業会議、週次ミーティング、1日5分面談を組み合わせて、上司と部下が緊密に連携をとりましょう。組織として営業力を高めるためのマネジメントサイクルを回して、目標達成に突き進みましょう。

営業会議の具体的かつ詳細な開催方法は、拙著「営業力の基本と手法」に詳しく記載しています。

 

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