マーケティングファネルにおいて重要な見込客づくり
AIDMA(アイドマ)とは、消費者の購買行動プロセスを説明するモデルの1つです。Attention(注意)⇒ Interest(関心)⇒ Desire(欲求)⇒ Memory(記憶)⇒ Action(行動)の頭文字を取ったもので、その流れで購買が進んでいくという考え方です。AIDMAの考え方を汲んでいると思うのですが、マーケティングファネルの図を見る機会が増えています。ファネルとは漏斗(ろうと、じょうご)を意味します。顧客が製品・サービスを認知して購入・申込に至る購買行動プロセス(下図)の形状が、漏斗に似ていることから名付けられたようです。
形状だけでなく考え方も漏斗そのものです。上から大量に注がれた見込客が、企業が行う情報発信のフィルターを透過することで、購買行動プロセスが進んで、やがて一番下の「購入・申込」に到達するのです。筆者は上に頂点がある三角形の「売上UPピラミッド」をよく用いるとおり、営業員が働きかけて下から上へランクアップする考えに慣れていますので、実は、マーケティングファネルの考え方に違和感を抱いています。
マーケティングファネルの仕組みは、上から大量の見込客を注がないと成り立ちません。展示会、セミナー、ホームぺージ、メルマガなど、販促活動や情報発信を通じて、見込客(メールアドレス)を多く獲得できる企業に有利です。では、新商品をあまり出さない、展示会やセミナーを開催しないような、大多数の会社はどうすればよいのでしょうか。筆者の答えは、情報発信して頂きたいし、情報発信できる体制を整えて頂きたいということに尽きます。
筆者が支援に関わった会社の事例をご紹介します。包装材料を扱う卸小売店では、毎回異なる1つの商品を採り上げた「〇〇通信」と名付けたチラシを制作し始めました。創刊号の題材は割り箸です。たかが割り箸と侮るなかれ。らんちゅう箸、利休箸、丸箸、天削箸、丁六箸、小判箸、元禄箸という7種類のイラストを並べて、その起源や用途をコンパクトに解説しました。割り箸にこんなに種類があることを初めて知りました。
法人営業を営む会社は「ある分野の専門家」です。その分野ではお客様より詳しい専門知識があります。この情報をかみ砕いて、お客様の視点でチラシにまとめましょう。