【バンクビジネス連動企画:最終回】「営業プロセスに沿って着実な商談をしよう!」
【近代セールス社「バンクビジネス」誌2018年2月1日号】
※当企画は、近代セールス社「バンクビジネス」誌の連載「すぐに成果が出る法人営業力UPセミナー」に連動しています。「バンクビジネス」誌の詳細は、こちらから。
最終回 全体まとめ編 「営業プロセスに沿って着実な商談をしよう!」
金融機関の若手行職員向けの雑誌「バンクビジネス」において、当研究会の会員が執筆する連載が始まりました。2017年4月1日号スタートの連載「すぐに成果が出る法人営業力UPセミナー」という毎月1ページのショートセミナーです。 この連動企画では、雑誌の1ページに入りきらない、とっておきの豆知識を紹介します。また、内容は金融行職員さんに限ったものではなく、対象を広く一般企業の営業マンとして役立つものにしました。これを読んで、明日からの営業活動に役立てていきましょう。
営業現場の問題を見つけるのは難しい
製造現場の改善であれば、工場内を巡回して、作業員の動き、機械の稼働具合や各工程の不良発生率などを見れば、どこに問題があるのか予想がつきます。そこを糸口に問題を探して解決していけばいいのです。一方で、営業現場はお客様先なので、経営者の目が届きにくく、相手(顧客)の事情や要求次第で状況がすぐ変わり、その対応は営業担当者まかせになりがちです。経営者や管理職にとっては、どういう問題が起こっているのか把握しづらく、何をやればよいのか分からないために、不安が募ります。
営業プロセス管理とは?
まず、売上UPに向けた営業プロセスの仕組みと進め方を理解しましょう。企業が設備や資材を購入する場合、経営者の一存で購入することは少なく、設備を動かす工場責任者、資金手当てや採算性を検討する経理責任者、その設備で作った商品を売る営業責任者など、複数の部門が購買決定に関与します。彼らが時間をかけて合議して決めていくので、いきなり注文が舞い込むことはめったにありません。法人向け営業活動の多くでは、営業プロセスに沿って商談が進み、受注、売上に至ります。
1件の受注に至るまで数ヵ月、あるいは一年かかるような案件もあるので、営業プロセス管理が必要になります。営業プロセス管理とは、受注や売上だけを評価するのでなく、そこに至る営業プロセスごとに、提案や見積の件数と金額、それらの進捗具合を見ながら営業管理を行うことです。営業プロセス管理においては、訪問・情報提供を終えれば引合案件となり、同様に提案案件、見積案件、受注案件と名付けて、案件ランクごとに営業プロセス管理をします。それぞれランク1、2、3、4のように記号をつけて管理する会社が多いようです。
売上UPの仕組み
実際の営業活動では、引合案件の中には単にカタログが欲しい場合や今すぐの取引を求めてない場合が多くあります。全てのランク1(引合案件)がランク2(提案案件)になるわけではありません。仮に5件あるランク1がランク2に2件ランクアップすれば、ランクアップ率は40%となります。
売上UPとは、ランク4の受注案件をいかに大きくするか、と言い換えることができます。そのためには、ランク1、2、3案件の件数や金額をいかに大きくするか、そして、A%、B%、C%というランプアップ率をいかに高めて、案件を上に押し上げていくかにかかってきます。図に示した売上UPピラミッドの考え方を通じて、売上UPの仕組みを構築していきましょう。