初めての事業計画作成は何ヵ月前から着手すべきか

筆者による事業計画作成講習会を受講された、或る会社の幹部の方が「本格的な事業計画作成」にいつから着手するか悩んでおられます。「本格的な事業計画作成」手前の会社とは、社長お一人が顧問税理士などと相談して売上・利益計画や方針を作成して、年度初めの挨拶や全体会議で説明するような会社です。または、経営幹部数人で作成するものの、従業員の目標として定着していない会社です。とてもよく見られます。

そのような会社にとって、事業計画を作成するメリットは数多くあります。経営幹部や従業員にとっては、売上・利益の目標ができて、目指す方向や優先順位が明確になりますし、PDCAを回せるようになります。経営者にとっても、自分が納得でき、社内外の関係者と共有でき、説明する際に説得力と根拠が備わります。とても大事な存在になるのです。

冒頭に掲げた幹部の方には「次の期が始まる半年前には、活動を始めた方が良いです」と申し上げています。「初めての事業計画作成」の具体的な進め方を、下の図を使ってご紹介します。

初めての事業計画作成スケジュール

これは現在進行中の実際の例なのですが、今年2022年10月から新年度を迎える会社に対して、7ヵ月かけて事業計画作成講座を行うスケジュールです。1ヵ月に一度の会合に加えて、メールベースで弊社と宿題のやりとりをして、質の向上とスピードアップを図っています。日本で最も多い3月決算の会社にとって9ヵ月前というと「いま」なのです。

上の図のとおり作成期間は7ヵ月間ですが、社長から1月に相談を受けて何度かの打ち合わせを経て、2月に開催を決定して社内幹部に開催案内していますので、10月の期初からさかのぼること9ヵ月前から着手したことになります。

いま(2022年6月)は1年前に想像できなかったことがたくさん起こっています。原材料やエネルギーの価格が急騰し、お客様に値上げを要請せざるを得ない会社も多いと思います。だからこそ、環境分析を行い事業の枠組みを構築して数値計画を練っていくという、事業計画作成に着手することを強くお勧めします。また、事業計画を立てている会社においても、半年以上前に立てた計画であれば、最新動向に合わせて見直すことが必要ではないでしょうか。

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事業計画書の全体像を分かりやすく説明しています。
事業計画書のつくり方

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